雨の強い土地に雨の多い夏と秋だったので
明かり取りの天窓からたびたび雨が漏って、
頻繁に天井でぽた、ぽた、と音がします。
何度直してもらってもしばらくするとまた音がします。
継ぎ目のある、ちょっと凝ったデザインの屋根は
どれほど工夫を重ねても太刀打ちできない気候なのです。
なにしろ真横からも下からも雨が降るのです。
もうあきらめて、いずれ天窓はつぶしましょうと言う事になりました。
日中部屋が暗くなるので電灯を増やして。
夜、灯を消した部屋で天窓を見上げます。
擦り硝子なので素通しでは見えませんが、
満月がさしているのがわかります。
硝子の上の屋根の一画がぼうっと白く光っています。
目が慣れてくるにつれてますます明るくなります。
壁に窓のない部屋の中に月光がふりそそぎます。
フローリングに白い光が反射しています。
閏九月、立冬の満月です。