「市役所の人は大変だ」
地域イベントの手伝いに行っていた連れが言います。
何十年も続く恒例イベントに、選挙が重なってしまいましたからね。
準備が忙しいうえに、公共施設のいくつかは投票所になってしまって
代替施設を用意するのも難題だったでしょう。
「普段の日曜休日もほとんどないらしいよ」
そういえばこのあたりは天候が不安定な春夏よりも、
天候の安定した晩秋から真冬のイベントが多いです。
「正月は恒例の寒中水泳大会だから、毎年正月もないんだって」
‥‥そんな恒例ありましたっけ。
頑張れ地方公務員。業務内容は違いますが、
『腕貫探偵、残業中』(著/西澤保彦 実業之日本社)の
タイトルが思い浮かんでしまいます。
投票所になっている公共施設に行くと、
こちらの一挙手一投足に集中砲火的な視線が。
訪れる人が少なくて、皆さん待ちかねているのです。
全員の「ありがとうございましたー」の声に送られると、
新たに来た子供連れの女性に一斉に「いらっしゃいませー」
‥‥さすがにそれはないけれど、
集中砲火的な視線に若い母親がたじろいで私に尋ねます。
「ここ、○○○じゃないんですか?」
普段はそうなんです。
でも今日は投票所になっていて、利用できないみたいですよ。
この地区の外から、しかも初めて訪れたのでしょう。
小さな男の子がお母さんの手にぶら下がってくねくねします。
せっかく来たのに残念だったね、たのしみにしてたのかな。