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<   2012年 07月 ( 7 )   > この月の画像一覧

たそがれ時

この強力な光の中で
海はさぞかし青いだろうと思われますが
白熱する外界に踏み出す勇気はありません。

太陽が沈んでからやっとふらふらさまよい出ます。

日射しが消えると同時に吹いていた風もとまりました。
もっと涼しくなるのを待っているのか、
夕食中なのか、五輪競技に見入っているのか、
通りには人っ子一人歩いていません。

時ならぬ人影にびっくりして振り返るのは猫ばかり、
今時分は自分たちの天下だと油断しているのか、
あう猫あう猫みなぎょっとしたように
動きを止めこちらを見ます。

暮れて行く砂浜の上を探します。
ああ、ちゃんと張り直してある。
先週間に合わせに流木で囲んであった四角が
木の柱と白い紐できちんと区切られています。

海のそばの消防分団の二階に明かりがつき
挨拶と拍手が降って来ます。
そういえば昼間、何を言っているのか聞き取れない
防災無線で消防団が呼び集められていました。
放水競技会があって慰労会をしているのでしょう。

思いがけず暗くなるのが早く、小走りで国道に出ます。
角のドラッグストアまでが早じまいしていて、
町中だというのに公園横のうちまでは
わざとのように暗闇が続いています。
by otenki-nekoya | 2012-07-29 21:20 | 散歩

うしの日

ウナギが高価い高価い、と話題になっているようです。

「そんなにみんなウナギって食べるのかなあ?」
コナン君の友達のゲンタ君は毎回高価なお宝を
『うな重』換算しているではありませんか。

「会合でよく料亭のうな重とか出るけど
そんなに頻繁に食べたいとは思わないよ」
それはたぶん、栄養のある餌をたっぷり与えられて
きれいな水で養殖というか肥育された若ウナギですね。
「牛でいったらすごい霜降り状態か」
私は牛の脂でおなかをこわすので
高級霜降り牛はもう何年も食べていません。
負け惜しみではなく、牛は赤身がおいしいです。

恒例の隣町の川で獲られた天然ウナギ尾頭付きを
開いて軽く白焼きにしたものをいただきました。

かたじけない。

さっとタレを塗って、あぶります。
ごはんなしでもさくさくと身だけ食べてしまいそうになります。

「これはおいしいよ!あぶらが全然しつこくない」
人智をかけて味良く育てられたウナギを上回る
野生のウナギというのは、余程豊かな環境で育ったのでしょう。

たとえばこれほどの辺境。
by otenki-nekoya | 2012-07-27 22:17 |

いち

「1メートル四方」とタイトルを打って、
アラビア数字とカタカナと漢字が混じると
見た目になんだか落ち着かないなと思い、
それで思い出した事があります。

以前遠目に見た地方紙の見出しで
縦書きで紙面のまん中に大きく
『ITにかける情熱』

‥‥。
違和感を感じました。
大きな写真と周りを囲む記事の紙面構成から察するに、
地元で仕事に打ち込む若者を紹介するコーナーだと思うのですが、

情熱をかけるには『IT』では漠然とし過ぎているのでは?

気になるので、紙面に近づいて見ます。
写真の青年は飲食物を扱うような
白い上下と白い帽子で、

あ。
お豆腐屋さんだ。
『ITにかける情熱』ではなくて、
『1丁にかける情熱』

‥‥だったんだ。
でもまだ何かがおかしい。

あっ。

見出しにするならば、
『一丁』なのでは?

縦書きで『一丁』としたらしたで
『テにかける情熱』
『〒にかける情熱』
と見間違えたかもしれませんが。
by otenki-nekoya | 2012-07-23 21:20 |

1メートル四方

黒く重たい雨雲の塊が次々と飛び去って行くのを
ごうごうと海風に吹かれて見上げます。
南の島で爆撃機を見送るようです。

ようやく流れ込む川の濁りがおさまり
空は雨雲でまっ暗くても
澄んだ海の水は何層もの深い青になりました。

片付けても片付けても浜を覆う木片は
とりあえずめぼしいものだけ
数メートル間隔に積み上げられています。
どれだけ手間がかかっても、
この時期必要な作業なのです。

ああ、あった。
白いハマユウの花と紫のハマゴウの花の群落まで
砂が吹き寄せられこんもりとしたところに
短い白木を砂地に打ち込み
ぴんと白い紐を張った正方形の結界、

海から来たりしものが
重い軀を引きずり辿り着いた跡。
そして海に還りし跡。

小走りに駆け寄った人間の靴跡。

砂浜のはしのほうに、
流木で同じように正方形が描かれていました。
後で気付いて、手元に結界セットがなかったので
周囲から白くまっすぐな流木を選ったのでしょう。

白く囲われた砂の下に白く丸い卵が眠っている。

黒く縁取られた蝶が、砂浜を舞います。
アオスジアゲハ。
その鮮やかな青緑は
その海の中の一色と似ています。
by otenki-nekoya | 2012-07-22 22:07 | 散歩

雨あがりに鳴く

例によって突然の豪雨に川の水位が高まっていきます。
気象レーダーの画像で見ると幸い雨雲から抜けそうです。

例によってからくも難を逃れました。
雨がやんだので小鳥達の声が聞こえます。
きっと今月初旬から現れたクマゼミも鳴き出す‥‥

ほーほけきょ。

‥‥なんで七月の町中の公園にウグイスが。

ニュースでは、隣村を襲った突風被害を伝えています。
突風。
たぶん竜巻。

山から吹き飛ばされてきたか、うぐいす。
by otenki-nekoya | 2012-07-12 17:34 |

Uらける未来

電車の車内吊り広告を眺めます。
このローカル線の記念イベントのお知らせ。

その隣の広告は縦書きで
『 ながる希望、
 Uらける未来』

‥‥流る希望、
しらける未来?

文字の周囲は若者のスナップ写真で囲まれ、
あ。一番上の写真がほとんど切れてる。

つまり、隣のイベントの広告とサイズを合わせるために、
こちらの広告は上の部分を詰められて、本当は

『つながる希望、
 ひらける未来』

某国防軍の高等工科学校だそうです。
田舎とはいえあまりにもぞんざいな。
by otenki-nekoya | 2012-07-03 21:28 | 散歩

ブラック・シックス

東京のいとこは筆まめというかメール嫌いというか、
いつもきれいな字できれいなハガキをくれます。

娘さんが卒論も無事仕上げ、就職も首尾良く整ったそうです。
私の無駄話で進路を決めちゃって大丈夫かと思っていたけれど、
彼女の適性にかなっていたようで、よかったよかった。

しかしイキモノ駄目絶叫系のいとこは、連日遅くまで
研究室で実験をするムスメが謎なようです。

連れにハガキを見せたら、妙なところで納得していました。
「『ブラック・シックスというネズミちゃん』‥‥
ああ!ビー・エル・マウスの事か!
ビーエル、ビーエル、って呼ぶけど、
何の略か考えた事なかったよ!
そういえばあのマウス、黒いねー」
はい。ビー・エルは、あくまでも、BLACKの略であって。
by otenki-nekoya | 2012-07-02 21:26 | 普段