あきのかぜ
ベランダから見下ろすと
センダンの葉が落ちて金色の実がずっしりとみのり
小さな川の水は澄み対岸の駐車場はがらんとして
ぽつんとまっさらな
──お墓が
蒼天から降りて来たように忽然と
秋風にみがかれたようにしらじらと
‥‥会社の駐車場に墓石?
何事かというと。
毎年十一月中旬の週末、お向かいの会社ではフェアを行います。
敷地いっぱいに金属ポールを組んだテント屋根を並べ
さまざまな飲食物や農産物や商品の出店を広げます。
川沿いの駐車場は臨時のフードコートとバンド演奏のステージとなり、
例年ならこのあたりでは一番気候の良い頃で、大勢の人が訪れます。
クレーンを使用するような展示商品は、
会場設営の前に搬入を済ませておかねばなりません。
例えばこんな‥‥墓石。
常になく冷たい秋風に吹かれ
ベランダからぴかぴかの墓石を眺めます。
『奥の細道』に秋風と墓の句がありましたね。
墓ではなく塚でしたっけ。
塚も動け 我が泣く声は 秋の風
芭蕉
翌朝、『ゲラゲ▽ポーの歌』をスピーカーで流しながら
秋風の中向かい岸のフェアは賑やかにはじまりました。
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by otenki-nekoya
| 2014-11-15 16:42
| ベランダ