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曇天に咲く

銀行の裏、川をはさんだ公園は町中なので
冬には葉が落ちて日当り良く、春には新芽がきれいな
背の高い落葉広葉樹を主に植えています。

緑の葉のみずみずしさはまさに今が絶頂。
町中にあると一本で森のような楡の幹に沿うように、
クリーム色の花が房になって5メートル程咲いています。
国道の街路樹のシマトネリコが飛んで、ひっそり育ったようです。

遠目には藤かなにかのように咲きあふれる花を見上げると、
その隣の整った円錐形の樹を覆う緑の葉の上に、
しゅっしゅ、と何十本もの淡緑の穂が
まっすぐ天を指しているのに気がつきました。

落ちて来た雨が、鮮やかな緑の葉に触れた瞬間
緑色が薄くうつり、細い柱に結晶してそこにとどまったようです。

面白い造形だなあ。
クリスマスツリーにぎっしり立てた細身のロウソクのようでもあります。
たぶんまだ蕾だから、あんなにきっちり上を向いているのです。
開いたら明るい色になってふわりと垂れるのでしょう。
樹は南京櫨でしょうか。

このへん一帯の川辺には小ぶりのナンキンハゼがいくつもあって
秋には目を引く白い実をつけるのですが、
それら全てのおおもとはこの公園に植えられた
あの背の高い樹なのかもしれません。

‥‥はいやーあっぷ。
見上げなければ気がつきませんでした。
日射しが強くても気がつかなかったでしょう。
六月は樹の花の満開の季節だったのです。

そう思って気をつけてみると、
そこいらじゅうの樹木にひっそりと薄緑色の花盛り。
彩りのない地味な花が、こんなに綺麗だったなんて。

花の色は控えめでも長い長い穂を盛大に垂らした
支那沢胡桃ばかりは川沿いで毎年思いっきり目立っています。
by otenki-nekoya | 2013-06-30 22:22 | 散歩
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日記


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