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みほとけの消えたまち

「除夜の鐘って聞いた事がない」
そういえば、この町には大きなお寺がありません。
地方豪族が城を築き、藩政時代は御家老様の領地となり、
いまでこそ辺境ですがかつては水運で栄えた土地なのに。

由緒来歴ある寺はいくつもありますが、
建物が皆比較的新しく小さいのがずっと不思議でした。
都市部のように戦火にあった訳でもありません。
隣村の峻険な山上には大伽藍が残っていますので、
里の寺は地震か津波でなくなってしまったのかとも思いました。

実家の近所の菩提寺は、なにしろ
聖武天皇の勅によって建てられたというものですので、
海の害なく山崩れのおそれもなく川があふれても田畑が受けるという、
平安時代の国司も滞在し戦国大名もその地に生まれた、
自然災害の多発する県の中でも優れて安定した土地にありました。
それに慣れているから奇異に感じるだけかな、と思っていました。

以前、地主さんが近所にあった寺が
「明治の神仏習合で無くなった」と言っていた事があります。
その時は、勿体ないなあ、と思っただけでした。
まさか。

まさか。まさか。
本当に、廃仏毀釈で一帯の寺が悉く打ち壊されていたなんて。
「‥‥なんでそんな事に」
この地は勤王の志厚き土地でしょう。
「ああっ!」
今の穏やかな町の様子からは信じられないのですが。
「‥‥やられた。やられたね」

そんな訳で由緒はあっても、大きい寺がない町だったのです。
by otenki-nekoya | 2012-01-02 13:23 | 散歩