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学問をすすめる

それで文語体はあきらめて、斎藤先生訳の
『現代語訳 学問のすすめ』(ちくま新書)はいかがですか。
「日本人全員読むべきや」
ははあ。
「痛快、というのかな、福沢先生の書き方は」
そりゃ数年前まで藩政時代で、生まれながらに身分が固定していたのが、
君達は自由なんだ、何にでもなれるんだぞ、と言われたら
風穴があいたような気分になるでしょうねえ。
子規でなくとも、「あしは太政大臣になる!」くらい言いたくなりますよ。

「学問しないといけないけど。それも実学」
昔、上海娘に中国の歴代王朝名全部書いてみせたら、
なんで他所の国の歴史まで知ってるんだ、
歴史なんて勉強しても役に立たない、
数学とか科学を勉強したほうが良いだろう、と言われました。
上層部は皆理系だし、あの国は実学を地でいってますね。

「書き方、ちょっと過激だけどね」
福沢先生は文官で、幕臣になってからも
翻訳専門で戦争はした事ないでしょう。
勝先生とは咸臨丸で一緒に亜米利加に行ってるのに、
後年、なんであっさり官軍に屈したんだ、って
当時軍事総裁だった勝先生に文句言ってます。
「たいてい現場の軍人より、シビリアンのほうが戦争の理想を語るから」
何にしても、あの時代これほど「人権」を理解し、
皆にわかりやすく教えた福沢先生は偉大ですが、
福沢先生の予想を上回る勢いで
あっという間に民主化した明治の日本人達もすごいですよね。
by otenki-nekoya | 2011-05-28 14:56 |
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日記


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