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Echigo の國

幼い頃日本一の豪雪地帯の一つに住んでいた事があります。
その時で都市部の人が一生で経験するくらいの分の
雪はもう済ませたつもりです。

連載が再開された新聞小説に、なにげなく目がとまりました。
流刑の地にある主人公が、不思議な行列を目にする場面です。

 大勢の土地の者達が集まって地べたに這いつくばり
 「ゲドエン様」「ゲドエン様」と伏し拝む異相の聖者を、
 事情の判らぬ主人公は立ち尽くしたまま眺め
 『外道院金剛』という幟の文字を読む。

流罪ではなく親の転勤で行った豪雪の町は、
「イ」と「エ」の発音の区別があまりない地域だったそうです。
汽車で長いトンネルをいくつも抜けて引っ越した先の、
それまで生まれ育った首都とは違う言葉に
幼かった私がどう反応したのか、覚えは全くありません。

いつも遊んだ板塀の向こうのヒデちゃんも、
通りがかるとクッキーをくれた肉屋のお姉さんも、
ミーの飼い主で、ピアノのあるお部屋で
紅茶をごちそうしてくださるおばさまも、
幼稚園の友達も先生も、話した内容は覚えているのに、
標準語に変換されてしまって、音が耳に聞こえてこない。

数年して、遥に離れた雪も雨も降らない土地に引っ越したときは
さすがに気候の変化と共に言語の大幅な違いに気付きましたが、
そこの現地語ネイティブになる間もなく
今度は雪は降らないけれど雨が底抜けに降る
古語の影響が残りインパクトの強い現地語の土地に移り、
そのころにはもう絶対方言を身につける年齢を過ぎてしまっていました。
親も同じように転勤ばかりの幼少時代を送って
どこのネイティブともならず、家庭内言語もなんとなく
標準語のまま引っ越しを続けていたのでした。

そんな訳で、ゲドーインをゲドエンと発音する民のくだりを読んで、
ああ、あのへんはそうだった、と思った訳です。
音は思い出せないけれど、豪雪の町で、
父が「これ見て」と指したポスターに、
『デューク・イエセス来る!』
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by OTENKI-NEKOYA | 2011-01-17 13:59 |
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日記


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