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注連縄の解

地方新聞に、地元資料館の展示物の紹介として、
江戸末期の庶民の日記が面白い、
と取り上げていたのを何気なく目を通していたところ、
突如、最近我が目にしたような状況が記されていました。

漁港の町の僧侶の日記の中に、
『浦の人々は集落をすっかり囲むように
長い注連縄を張り巡らせた』という記述があり、
書き手の感想は「まるで蜘蛛の巣のようで、自分もその中に捕まったようだ」

‥‥まるで、私が今月初旬に見た注連縄を細かく張り巡らし、
まるごと町を囲んでしまった海沿いの謎の光景ではありませんか。

この記述は、安政のコロリ発生によって大量の死者が出た翌年。
また同じ恐怖が襲って来たと知った時、
原因も防御法も知らなかった人々が、
我が身を護ろうと必死に注連縄を張り巡らし、
怯えて身を小さくしていたのです。

土地は離れていますが、条件は良く似ています。
確証はありませんが、もしかしたらこれが答えかもしれません。
と、地元民に聞いてみましたが、
「こんなとこまでコレラが流行るかなあ?」
と首を傾げています。

こんなところって。
今大河ドラマで時々出て来るある志士は若い頃、
安政の地震やコロリで困窮する農民を救うために
遠いお城下の国老の屋敷へ直訴までして、
救済活動に奔走しているんですよ。
隣村じゃないですか。しかも、あんな山の奥です。
あそこまで届くほどの疫病ならば、
港があってこのあたりでは一番人口の多かったこの町が
コロリの脅威に晒されていなかったとはいいきれません。

御領主の城址の資料館の学芸員さんに尋ねるか、
実際に注連縄の張られたお宅のどなたかに
由来を尋ねれば確実な解答が得られるのでしょう。
でも、突き止めるまでの事でもない、
なにかの加減でこんなふうにふっと謎を解く鍵がやってくる、
ならば、そう思っていましょう。

と、書き込んでいたら隣室のTVニュースで偶然
カリブ海の島国でコレラの感染が拡大していると
聞こえて来ました。

ある日突然、海に守られた島国を襲う脅威。
注連縄を張り巡らしても、防ぐ事は出来ません。
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by otenki-nekoya | 2010-11-18 21:01 |
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日記


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