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干し物をとりこむ

今日は水平線がはっきりとわかります。


空が暗くて海があかるくて。


空が暗いのは、あそこからあそこまで

雨が降っているからなのでは。

それもそうとうな大雨なのでは。

しかもこっちに来るのでは。


いつもの海産物干し場の横で、小走りになります。

干し場のみなさんもせわしげに魚介を取り込んでいます。


串を打ってぴんとまっすぐになった真っ白いスルメイカが

ずらずらずらずら道沿いに吊り下げられています。

小さいワイシャツの行列のようです。


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by otenki-nekoya | 2014-11-30 21:45 | 散歩

海鳥に似ている

海沿いの道のところどころに

県外ナンバーの車がとまっています。


水平線を見に来たのか。


日射しが暑いくらいの日和なのですが、

あいにく白く光る雲が空を覆い、

白く光る海とのさかいめは茫漠としています。


水平線はあのあたり──


指差した線よりだいぶ上を船が通ります。


‥‥まちがえた。


自分の居る高さによって違うので、

いつも見ていても水平線の位置を当てるのは意外と難しい。


連休ですが、月曜なのでたくさんの漁船が出て働いています。

かたまっているところに、お目当ての獲物がいるのでしょう。


黒い船団が、銀色の空を漂うようです。


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by otenki-nekoya | 2014-11-24 22:20 | 散歩

水平線のために

十月にはじまったTVドラマで

ヒロインが語る「野望」のひとつが


──水平線を見たい


島に囲まれた島の高校生なのです。


たまたま通りがかりにその台詞を聞いた連れが、

「このへんなら逆に」


──島を見たい


たしかに。

このあたりの海岸から見えるのは

山の他は海と空の水平線ばかりで、

いけどもいけども島影一つありません。


電車に乗ると、周りの乗客が

「わあ、地球が丸い!」と叫んでいるほどです。



前回、大学生になって島を出たヒロインが

旅先で水平線を見ながら

「はしからはしまで水平線っていうのが見たい」

と、少し野望を大きくしていました。


たまたま通りがかりにその台詞を聞いた連れは、

そのまま通り過ぎて行きました。



日曜の朝、いつも自転車で川沿いや海岸沿いを

走って来る連れの帰りが少し遅くなりました。


隣村の台地へ行ったのだそうです。

台地?登ったんですか?自転車で。


「登りきれなかった。途中で降りて来た」


自分の脚の力だけではなかなか辿り着けないでしょう、

てっぺんまでは


‥‥。

もしかして、見たかったのですか。


はしからはしまでの水平線が。



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by otenki-nekoya | 2014-11-16 22:42 | 散歩

ひなた神

年が明けてからこれまでこの部屋で
日中に暖房を使った事がありません。
窓を開けていても日射しが当たると
衣服の黒い部分など熱くて痛いようです。

この屋根の上にもパネルはありますが、
太陽光に発電をさせて電気器具で温まるより
太陽光を熱源として使った方が効率が良いようです。
もともと温室園芸が盛んな土地です。

ただ温室効果を生む空気ではないので
日が陰ると都会よりもはるかに冷え込みます。
蓄電池のように蓄熱ができないものでしょうか。


日本海側を埋め尽くす湿った雲は
行く手に立ち塞がる山々に次々ふるい落とされて
この里を包む山の一番奥で最後の雪を落とします。
外に出ても風さえあたらなければ寒くはないのですが、
何層ものフィルターに漉された乾いた北風が吹いています。

遮るもののない海岸沿いは特に風が強い。
いつもガラス戸を閉め、何人もの高齢者が
テーブルを囲んでくつろいでいる小屋があります。

「あったかそうだなあ」
日の当たる居酒屋みたいですね。
「いや、こっち」
連れの指差した先に小さな鳥居がありました。
いつも通るのに、小屋に気を取られて気がつかなかったのです。
いつもは小屋の影にもなっているのでしょう。

風雨と潮に晒されて薄黄色になった白木の小さな祠の
段の中にすっぽりと薄黄色の猫がはまりこんで目を閉じています。
正面から射す冬日が当たり、祠と猫は黄金色に輝いています。

何の神様かはわかりません。
この地区の氏神様でしょうか。
眠り猫付きだから権現様か。

猫ぐるみ祠に手を合わせます。

そこの爺様婆様達とこの猫にいつも
暖かい日射しが降り注ぎますように。

「お賽銭が置けない」

それより、正面に立ってはいけません。
日陰になります。
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by otenki-nekoya | 2014-01-12 22:03 | 散歩

はつはる

暖かい年明けとなりました。

いつもの浜沿いを歩いていると、
新年二日でもう干場は大忙しです。
開いたカマスが延々と並び、
作業所の屋根の上には真っ白なイカが
風がないので行儀よく吊り下がっています。
堂々とした体格の猫達も悠々と闊歩しています。

つい小春日和などと言いたくなりますが、
使い方としてはまちがいなんですね。
「小春じゃないもの。春だよ」
新春。初春。

普段は人っ子一人いない砂浜にかなり人影が見えます。
どのグループもでこぼこしていて、
ほとんどが子供連れだと判ります。
路肩や駐車スペースに、都会や雪国ナンバーの車が停まっています。

風もなく、波もなく、
ただいっぱいのひざしと空と海だけの中
人々は歩きにくい海岸をみんな横並びになって
すいよせられるように水平線に向かって進みます。

みなさまにとって新しい年が
この海のように穏やかで
この空のように明るいものでありますよう。

今年もよろしく。
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by otenki-nekoya | 2014-01-02 20:03 | 散歩

十一月の波とあそぶ

日曜日は一日雨が降ると聞いていたのに、
朝になったら雨はあがっていました。

日中は真夏並みの暑さで朝は冷え込み、
嵐の動向に気もそぞろの日が続いた
秋とは思えない十月が終わりました。

いまにも雫が落ちそうでそれでもなんとか
踏みとどまっている厚い雲の下に出てみます。
梅雨明けが早く、夏が記録破りで、十月も暑かったので、
すぐそこの海沿いでも、真昼に歩くのは
四ヶ月ぶりになるでしょうか。

鉛色の空に翡翠色の海。
波は荒れすぎず、穏やかすぎず。
先月は波が高くて漁も大変だったようです。
浜では漁の網を片付けています。
連休のせいか、向こうの波打ち際に
歓声を上げている家族連れがいます。

幼児二人と、制服の白いブラウスに黒いスカートの
女子中学生二人、母親らしき黒いワンピースの女性。
法事だったのでしょう。
幼児達と少女達と
喪服と長い髪を海風になびかせた女性は
打ち寄せる波とおいかけっこをしておおはしゃぎです。

夢中になっている一同を呼びに、
裾の長めの黒いワンピースの女性が
砂浜を横切っていこうとしています。

海岸に出る道路の駐車スペースでは
黒い軽自動車の傍らで茶髪の女性が
堤防に肘を載せて皆を眺めています。
幼児二人の方の母親でしょうか。
黒いパンツスーツにヒールなので、
浜に降りられないようです。

お孫さん達と娘さんが、海でこんなに楽しんで、
雨をやませた甲斐があったというものですねお祖父様(たぶん)。
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by otenki-nekoya | 2013-11-03 22:12 | 散歩

汐だまりの名月

朝晩涼気が感じられるようになったとはいえ
空気が澄んだぶん日射しはやはり激烈で
いまだに日中外を歩くのは真剣勝負です。

この二ヶ月というものすぐ近くの海でさえ
昼は暑く夜は暗くうろうろ歩く事はできませんでした。


この月の下なら。

まださほど高くはない満月は金色で、
商店街を横切って街灯がなくなると
くっきりと自分の影が地面に落ちます。

まださほど高くはない満月は海には映りませんが、
遠くの嵐から寄せる少し高い波が明るく見えます。

波がこれだけ明るいのなら、
波打ち際まで行ったら月が映っているかもしれません。

月明かりだけの浜辺に降りるのは足下が少し心配ですが、
大潮の海は思ったより近くにありました。
柔らかな砂から大きな砂利になるあたりが真っ黒に見えます。

潮が引きはじめたばかりで、砂利が濡れているのでしょう。
思い切って踏み込むとやはり砂利はまだ海水を含んでいます。

月の方に身体を向けると、
波頭ばかりか立ち上がる波裏まで金色に輝いて

金色の波の打ち寄せた浜は、真っ黒に見えた濡れた砂利が
月の光を受けて銀の粒を敷き詰めたように彼方まで広がっています。

潮が引いたばかりの砂利のところどころは窪んで海水が溜まり、
僅かなあいだ、潮溜まりのようになっているのですが、
その一つ一つの小さな海水の池を覗くと

一つ一つに小さな金色の満月が映っています。

初めて見ました。

暑くなく。寒くなく。
雲一つない絶好の月見日和、
今宵の名月を見上げる人はさぞ多い事でしょう。

金色の中秋の名月にむかって歩きます。

傍らに打ち寄せ続ける金の波、
行く手は果てしなく銀を敷き詰め、
足下にいくつも小さな金の月が水の中に落ちていて、

燦然と。絢爛と。
これほどの月見はなかなかありますまい。
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by otenki-nekoya | 2013-09-19 22:01 | 散歩

休日のサムライ

いつも歩く海沿いの道を自転車で走ります。
青い海と青い空と新緑の山と柑橘の花の香り。
海は平日通りに漁の船がたくさんでています。

連休中だというのに、定番の白装束の巡礼や
外国人の自転車旅行者などをあまりみかけません。
波が穏やかで、岩場では磯釣りをしています。

自転車道から見晴らしの良い休憩所に上がると、
ぺかぺかと赤いコンバーチブルや四輪駆動車などが停まり、
子犬を遊ばせているカップルや、
風景をスマホで撮影してつぶやきを流している娘達、
金髪の白人青年等、意外に若者が訪れています。

「ニュージーランドの留学生だって」
話したんですか?
「そこでTさんに会った」
ああ、むこうに日傘が見える。
今の時期日傘をさしているのは地元民ですね、
観光客はそこまで日射しを気にしていない。

「息子さんの友達なんだって。
東の岬に行こうとしたけど、渋滞で車が全く進まない」
なるほど、このへんに人がいないと思ったら、
みんな荒波打ち寄せる奇岩を観に行っていましたか。
「あきらめて、近所の武家屋敷を見せて」
これから藩政時代の美術展示館に行くそうです。

まあ、NZ人なら海も山も見慣れているから、
サムライ・ツアーもいいかもしれませんね。

自転車道を戻っていくと、
菅笠に金剛杖の巡礼姿が板についた
巨漢の白人青年がにっこりと笑顔を向けて、
青い海と青い空と新緑の山が延々と続く
長い長い道を歩いて行きました。
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by otenki-nekoya | 2013-05-03 21:41 | 散歩

白昼の鮫

本日の浜の漁はだいたい終わったようです。
浜の一番奥で最後の網が上がるのを、
人と鳥と作業車の集団が待っているのが見えます。
手前の空いた浜では休日の釣り人が一人、
竿を青い海に向けています。

大きく潮が引いた急斜面の下の砂地を、波をよけながら歩きます。
まだ四月なのに、こんなに日射しが強くなるとは思いませんでした。

干場の近くの道路に戻ると、漁具置き場のトラクターの荷台に
山積みにされ、崩れたまっ白い材木のようなものが何十本も

「サメだ」
私の背丈程の、ぴんとまっすぐに伸びたサメが何十匹も。
背は赤味がかっていますが、多くはまっしろな腹を上向け、
三角の口には純白の尖った三角の歯がぎっしり並び、
頭の先端はT字型に突き出した特徴的な形をして。

ハンマーヘッドシャーク。
シュモクザメです。

突き出した柄の先端を横から見ると
透き通ったゼリーに覆われたまんまるい大きな真っ黒な
目が。

こんなに綺麗に透き通ってこんなに綺麗に真っ黒で
目だけ見ていてもわからないけれど
でもこんなに棒のようにまっすぐ固まって動かないのだから

いきてはいないのです。
何のにおいもしないけれど、血の一滴も流れてはいないけれど、
いきていたら何十匹ものサメの山にいくら私でも足は踏み入れない。
真っ白く、まっすぐで、整った形をしているからまるで作り物のような、
端正な異形の鮫を触れる程間近で眺めます。

日射しが強いので干場では皆が忙しく干物を仕上げ、
観光客の車が立ち寄り、サメの山などにかまう人はいないようです。

暑いので、影の多い住宅地の中を歩きます。
「ハンマーというと‥‥カナヅチザメ?」
シュモクザメです。鐘木というのは
鉦をかんかん鳴らすときの木の槌です。
「金槌だと泳げないもんね。網にかかったのかな」
おそらく。シュモクザメは群れになります。
「あ、それであんなにたくさん。邪魔だったろうなー」
一応、カマボコになりますが。
でもまだ小さいですね。成体はあの二、三倍くらい。
「確かに、歯がまだ小さかった。でもあの歯だと」
人も襲います。
「いるんだ。そのへんに」


強い日射しで夏のようだった休日の
各地の賑わいを夜のニュースが報じています。
水族館の青い水の中の生き物を指差し、
歓声を上げる子供達と一緒になって連れが叫びます。
「あれ!あのサメ!」

画面をゆらりと横切り身を翻す巨大な鮫の、
T字型に突き出した頭部をカメラがアップにします。
目が、こちらを──見たような。

いきている。
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by otenki-nekoya | 2013-04-29 22:17 | 散歩

ベールをぬぐ

青い空なんてひさしぶりです。

昨日の激しい雨と南風が
今日はゆるく絶え間のない西風にかわり
霞か雲か桜の花か、朧に白く漂っていた
すべては洗い流され吹きはらわれました。

山は淡く柔らかいほわほわとした緑と
常盤木の濃い緑が混じってくっきりと見えます。
点々と燃えるような緋色は山躑躅、
やはり今年は花が早いようです。

明日にはまた霞んでしまう。

風で浜には猫一匹いません。
昨日は透き通った波が高く垂直に落ちて、
なかなかの壮観だったそうです。

濁った海も柔らかい緑色がいりまじり、
雲が落とす影の下は青く、
うねりながら風に煽られ複雑にねじれた波が
浜に打ち付けて風に舞う細かい白い飛沫となります。

吹き続ける西風に、何度も帽子をさらわれます。
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by otenki-nekoya | 2013-04-07 22:14 | 散歩
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日記


by otenki-nekoya
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