narcia

nekoya2010.exblog.jp ブログトップ

<   2014年 09月 ( 4 )   > この月の画像一覧

彼岸の蝶

金色の日射しと真っ黒な影、

影は短くはなく長くなく、

建物の黒い影をつたって歩きます。


金色の日射しを受けて

金に黒の模様のアゲハチョウが

前を横切り、脇を通り、頭を掠めて

‥‥さすがに連れが気付きます。

「なんで住宅地の中にこんなにチョウがいるの?」


母親でしょう。


「え」

このあたりのお宅はもれなく一家に一本以上、

いわゆる酢蜜柑を植えていますね。

「うん。焼き魚とか鍋のときは庭でもいでくる」

その柑橘の葉がナミアゲハの子供の餌になるんです。

「ああー、卵を生みに来たのか」

これから冬を越して、春に孵ります。

「あの、春のちっちゃなアゲハ蝶ね」


公園のキバナコスモスにはモンキチョウが訪れ、

アカタテハがせわしなく舞い、

ヤマトシジミが低くちらちらします。

見慣れた蝶ばかりでも、

秋の彼岸の金色の日射しの中で

金色の花に華を添えています。


川岸に出ると、大きな夏羽がすり切れて

黒いレース状になったクロアゲハが

満開の彼岸花の上を真っ黒な影のように。


[PR]
by otenki-nekoya | 2014-09-23 21:36 | 散歩

いるよ

彼岸とはいえ、これほど急に冷え込まなくても。

でもこれなら真昼の散歩も大丈夫。


うちの前の小さな川沿いに銀行の裏を通ると、

歩いていても見過ごすくらい、

立ち止まって初めて気付くような、

ささやかな花が。


庭に生えれば抜かれるような、

名前を聞けば雑草と言われるような、

キク科の、イネ科の、ヒルガオ科の、

マメ科の、シソ科の、ツユクサ科の、

ヒユ科の、タデ科の、ユリ科の、


淡い黄色の淡い緑の淡い紅の淡い紫の。


路面から水面までの5メートルの斜面の中に、

一つ直径1センチにも満たないほどの花が、

何百と、何千と。


川沿いを川のように、

天の川の星のように。


町中の道ばたでしばし立ちつくします。

ここは花野だ。

幅5メートルで延々と続く。


この銀行の裏は大きな樹のある小さな公園の対岸で、

手入れと放置の具合が丁度良いのでした。



そういえばカワセミをしばらく見ない。


突然、鋭い声がしてオレンジ色がひらめくと、

次の瞬間には水色の光が

川面をつーっと遠ざかってゆきました。



[PR]
by otenki-nekoya | 2014-09-21 22:28 | 散歩

あらしのなかのアラビアンジャスミン

六月の夜、暗い網戸の向こうから漂うひんやりとした湿気の中に

茉莉花・アラビアンジャスミンが香ります。


八月の夕方、台風の来る直前にベランダの鉢植えを避難させていると

ゆるく支柱にまとわせた枝一面に今にも開きそうな白い蕾が。

一晩で散る茉莉花の小さな白い花が

雨ばかりの八月に再び大量の蕾をつけていたのです。


まるごとが花嫁の純白のブーケのような鉢を

部屋に取り込み、サイドテーブルに載せます。

この異様な気候条件が誘ったのでしょうか。

まさか台風の夜にいっせいに開くなんて。


穏やかならざる夜が更けるにつれ、

ホースで窓を洗うように雨が真横に打ち付け、

波飛沫やら折れた枝やら園芸用ビニールやらが空を舞う。

阿鼻叫喚の中、風圧で揺れる部屋の奥では

時折、茉莉花が深く香りました。



九月の真昼、久しぶりに青空をあおぎます。

日射しは強いけれどさらりと乾いていて、

ペットボトルのさんぴん茶を飲んだ瞬間、

その香りで思い出したのです。

沖縄ではなくて、嵐の夜を思い出すのか。



翌日になると白い花は部屋の中で雪のように残らず落ちて、

黄緑色の丸い葉の何の変哲もない鉢植えになっていました。


[PR]
by otenki-nekoya | 2014-09-14 21:41 |

打ち上げ花火に水をさす

八月初めの週末恒例、地元のお祭りと花火大会は

「悪天候のため延期」となりました。

中止ではなく延期です。

九月になって日程を短縮し、ようやく行われる事に。


いつもは市街を二日かけて練り歩く踊りも、

海沿いの施設の敷地のステージで披露するようです。

急の雨でも雷でも避難出来るビルがあるからでしょう。


かすかに聞こえて来る踊りの拍子が時折雨でとぎれつつ、

花火打ち上げの時間が近づいてくるのですが。


天気予報の画面ではこの一ヶ月、毎晩見慣れた、

「大雨」「洪水」「雷」のスリーカードが並んでいて


沛然として、とはまさにこの事、

花火開始三十分前。

防災用に増設されたスピーカーが一斉に

‥‥雨の音が強くて聞き取れませんが、

「悪天候のため□□□、悪天候のため□□□、」

えんき、か、ちゅうし、か、いずれにせよ、


向かいのショッピングモールの屋上で待っていた人達が

立体駐車場を降りて来るヘッドライトがきらきらと列になります。

豪雨は一時間でおさまりましたが、空は紫色に光り続けています。



翌日の地方紙で、延期になっていた祭りが行われ、

打ち上げ花火は悪天候で中止、と載っていました。


今年はベランダから見る花火、ないんだ。

まあ、今夜こそは晴れるでしょう。

そうしたら、お月見をしましょう。


[PR]
by otenki-nekoya | 2014-09-08 21:43 |
line

日記


by otenki-nekoya
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite