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会津に斃る

中学の頃、狐狸庵先生の作品は少し読んだけれど
安岡章太郎作品は読んだ事がありませんでした。

今年訃報に接し、増刷が出るだろうから読んでみようと
思ったのですが、いつもの書店には一冊も入りません。
有名作家に対しても、時代というものは過酷だなあ。
「追悼」の帯の巻かれた『流離譚(上・下)』(講談社文芸文庫)を
みつけて中も見ず買ったのは秋になっていました。

読みはじめて驚きました。
しまった。もう少し早く読んでいれば。

作者の先祖である、地方郷士達の物語という紹介と、
浪漫的な響きのタイトルからか
なんとなくノスタルジックなものをイメージしていたのですが

先祖の私的小説などではなく、幕末動乱の渦中に身を投じた
安岡兄弟の行動を辿り、詳細な資料に語らせる維新史というか。
それこそドラマ『龍馬伝』でお馴染みとなった人物達が
史実としてぞろぞろと絡んできます。
そのうえ後半、安岡兄は板垣退助率いる土佐迅衝隊の参謀となるので
「奥州攻め」が克明に記されています。
こ、この本で会津のお城を攻める事になるなんて。
八重さんすまぬ、これも巡り合わせいうもんぜよ。

まだ読みかけなのですが、これは読むべき、と連れに上巻を貸すと、
「昔の文章がいっぱいだ。これは私には読めないよ」
それはまあ、安岡兄弟の手紙をメインに、
同時代の記録を付き合わせた構成ですから。
ちゃんと大意は本文でも書いてくれているので、
資料部分は読めなくても大丈夫‥‥
とはいえ、あまりに詳し過ぎ、関心の有る事件でないと
読むのが面倒、という感じはあります。

この慎ましい白い帯に、煽りのコピーを入れられないでしょうか。

『弟は 吉田東洋の 首を取った男
 兄は 会津の戦に 斃れた男』

「ええっ‥‥勤王党だったの!」
だから。流されるのです。
ほんのはずみから、とめどもなく流されてしまうのです。
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by otenki-nekoya | 2013-12-22 22:23 |

会津の姫君

今年の大河ドラマは最終回だというのに、
主人公の人生はまだ四十年近くありますが。
「最期までやらないんじゃない?」
そういう時もありますね。

その通り、ドラマは日露戦争前までで終わり、
後日譚は最後の紀行コーナーで説明されました。
容保公の孫が皇室に迎えられたと聞いて
連れが感慨深げに言います。

「ああ、よかった!完全に賊軍の汚名は消えたんだ!」

この方は白洲正子の女子学習院初等科以来の仲良しで。
「シラスマサコ‥‥えーと」
白洲次郎の奥方の。
「あ、伯爵家令嬢」

次郎が東北電力会長の時、只見川ダムの式典に招く
スペシャルゲストは誰が良いだろうという事で、
正子が妙案を思いつくんです。
宮様になった松平節子様にお願いしてみよう。
「昭和天皇の弟のお妃だよね」

当日。駅前の通りに紋付姿の御老人が
ずらっと平伏して。

「‥‥。会津の姫様のお里帰りか」
九十年近くの歳月が流れていたとしても。
一同の感激いかばかりか。

主役の出番が少ないとか話が難しいとか言われても
根気よく会津視点でドラマを続けた意義は大きかったと思います。
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by otenki-nekoya | 2013-12-15 22:10 | TV
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日記


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