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おそれいってみせる

「犬が面白かった!」
自転車屋さんで部品交換を頼んで来た連れが笑っています。
「店に入ると、小さな犬がものすごい剣幕で
わわわわわ、と吠えながら走り回るんだけど」
開けっ放しのたたきに立って見ていると、
「店舗とおじさんの作業スペースには絶対に入らない」
自分の領分を守っているんですね。

「見てると笑いそうになるんだけど、我慢して」
かわいい〜、と笑うと失礼にあたります。
「まいった、おそれいりました、という顔をしてみせた」
顔?
「勝った!と満足してくれたかなあ」
吠えやめましたか?
「おじさんが出て来たので、そこで打ち止め」

いくらドラマで流行ったとはいえ、
顔芸をしてみせて犬に気持が伝わるでしょうか。
「顔の表情じゃ犬にはわからない?」
姿勢を低くすれば敵意がないという表現になりますが。
「だったら、ヒトと一緒だ」

このごろは、過剰に謝罪や屈服の表現に使われますが、
手を下につくお辞儀は敬意を表す普通の挨拶の姿勢です。
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by otenki-nekoya | 2013-10-20 22:04 | 散歩

二本差し

白刃のようだった陽光は
ようやく黄金色になりました。
それでも触れると痛いほどです。

通りの向こうから、
つやつやしたススキの若い穂を横ぐわえにして
長い大小を左の腰にさし、悠々と歩む影が来ます。

もし、そこのおかた。
せんだって、帯刀を禁じる太政官のおふれが出て

──百年以上経っています。
大河ドラマの時代に合わせ、これまでためておいた本を
あれこれ読んでいるので、こちらの気分が
「明治十年前後」になっているのでした。

人影に気付き、くわえていたススキの穂をおろした
黄金色の光の中の真っ黒な影は
すれちがいざまウォーキング姿の男性になり

腰にさした二振りの刀は
長い方は巡礼用の金剛杖、
短い方は黒い雨傘でした。

あちらの気分は「幕末!」なのでしょう。
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by otenki-nekoya | 2013-10-14 22:31 | 散歩

蝉の声

スーパーの菓子売り場や小店のウィンドウは
ハロウィンカラーで賑わっているというのに。


テーブルに向かい合わせた人物が
薄暗い喫茶店で会話する場面を思い出します。

むかしの人気アニメの劇場版のワンシーンなのですが。

やつれ果てた男性教師が、自分が感じている違和感を訴えます。
凛とした女性教師が、哀れむようにその考えをいなします。

(自分達はずっと前から同じ一日を繰り返しているのではないか)

 今日はいったい、何月の何日でしょうね。
 こんなものを着ておるとすれば、
 冬なのかもしれませんが。
 この汗は冷や汗なんですかね、
 それともこの陽気のせいなんでしょうか。
 それに。さっきからきこえているこれは

愕然とした女性教師の背後の窓から
樹木の緑の輝きと
大音量のセミの声があふれだす──


明日になれば、明日になれば、と思い続け
明日になっても今日と昨日とかわらずに。

いつまでたっても外気温は摂氏三十度を越え続け、
最低気温というのはたいていは日の出時の一瞬なので
夜の間はずっと暑く、毎晩結局夜中に窓を開け

そして毎日毎日ずっときこえているセミの声。

サクラ先生、教えてください。
今日はいったい、何月の何日でしょうね。
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by otenki-nekoya | 2013-10-12 18:50 |
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日記


by otenki-nekoya
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