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クイナ走る

かの邪智暴虐の王‥‥とまでは言いませんが、
恐ろしいまでの頭上からの攻撃力を持つ太陽が沈むと、
民はほっとしたようにぱらぱらと戸外に姿を現します。

夕暮れの川沿いを行くと、
ハゴロモジャスミンに似た甘い香りがします。
濃い緑の大きな葉の樹の上に盛り上げるように
赤と白の花が咲いています。

赤く長いがくの先のぽつりと白い球が、
開くと五弁の白い花になって、
姿もハゴロモジャスミンに似ています。

クサギです。
花はこんなに甘い香りなのに、「臭木」という名はあんまりでは。
種が散って、堤防のそのあたりは丈の低いクサギが何本も満開です。


犬の散歩やウォーキングの人の少ない細い方の堤防を行くと、
小さなシルエットが行く手を走って横切りました。
ころんとした前傾姿勢に、太い脚と特徴的な長い足趾、

クイナです。
脚が真っ赤に見えたから、バンの類ではなく緋水鶏でしょうか。
ヤンバルクイナを思い浮かべてもらうと分りやすいと思いますが、
鳥というより直立二足歩行動物のような走りです。
獣脚類ぽいというか。
やっぱり恐竜は鳥になったんだな。

駆け寄ると川縁の草むらががさがさ鳴って、
そこを走ってるのはわかるのに、
もう姿は生い茂る緑に隠れて見えません。
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by otenki-nekoya | 2013-07-24 21:56 | 散歩

天璋院さまのナチュラル雑貨

こんな七月の白い強靭な日射しに太刀打ちするには
我が愛用の日傘はどれも華奢で、か弱く心細く思えます。

最近さしている人の多い、
真っ黒で大きくて生地のしっかりした
男持ちの雨傘のような日傘がいいな。

‥‥それはコウモリ傘ではありませんか。
天璋院様か。

 天璋院のお伴で、所々へ行ったよ。
 八百善にも二三度。向島の柳屋へも二度かネ。
 吉原にも、芸者屋にも行って、みンな下情を見せたよ。
 (略)ワシの家にも二三度来られたが、
 蝙蝠傘を杖にして来てネ、
 「どうも、日傘よりも好い」と言った。
                    『海舟語録』

万事規則と格式にがんじがらめだった江戸城大奥を出た篤姫は、
下々の用いる道具でも、気に入ったものはすぐに取り入れます。
船宿のお茶がおいしかったので、
銀瓶をやめて「鉄瓶」を火鉢にかけたり、
お風呂の後出された「浴衣」を愛用するようになったり。
元将軍家御台所はハンドメイドもお好きだったようです。

 後には、自分で縫物もされるしネ、
 「大分上手になったから、縫って上げた」などと言って、
 私にも羽織を一枚下すったのを持ってるよ。

                    『海舟語録』


日本で最初に「ミシン」を献上されたのは篤姫でしたね。
まさか勝先生の羽織はミシンで‥‥。
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by otenki-nekoya | 2013-07-14 18:43 |

幼い猛禽

天から地の間を遮るものが
ついに何一つなくなりました。

このひとつきあまり曇天の下で
電線に止まって親を待っていた子ツバメ達とか
橋の上でいつもおいかけっこをしていた
黒い羽ぼさぼさの子カラスの兄弟とか
うちのベランダの植木に飛び込んで
ちゅんちゅんぴょんぴょん賑やかな子スズメ達とか

こんな直射日光は、生まれてはじめてでしょう。
みんなちゃんと日陰に移動したでしょうか。


真上から射す強い日射しが地面を熱し
上昇気流がおきています。

その気流にかろうじて乗る
若過ぎてトビだかなんだか判らない
猛禽の子がふらふらと舞い上がっています。

水平にぴんと張るべき翼はぷるぷる震え
薄茶色の柔らかい羽毛が毛羽立って

階段の上の、同じ高さに居た私と空中で目が合います。

人間なんか見て動揺するな。
君はこの空のずっと高いところまで支配する
王者の鳥になるのでしょう。

仕方がないですよね。
本当はせめてあと十日。
蒼天を切り裂く鋼のような
翼を手に入れるのはまだ少し先。

幕が開くのが早過ぎて、
私達人間も含めて生き物達は
成長も準備も全く間に合っていません。

ひろひろしながらでも、乗り切れ、みんな。
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by otenki-nekoya | 2013-07-09 22:17 | 散歩
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日記


by otenki-nekoya
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