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白いネズミの夢を見る

「きのう、こわいゆめをみた」
連れが真顔で言います。

連れの夢はとてもシンプルです。
先週の夢はこうでした。
「さむすんと、あっぷると、きんぎょが出て来た」
TVで放映されていた宮崎アニメを見て、
ニュースで判決を聞いて、寝たのです。
そのままです。何の置換にもなっていません。


連れは仕事などが立て込んで来ると、「怖い夢」を見ます。

私が最初に聞いた「怖い夢」はこうでした。
「ゾウに踏まれそうになった!怖かった!」
‥‥それだけ?

次に聞いたのはこうでした。
「廊下にワニがいて、かまれそうになった!」
かまれなかったんですか?
「みんな逃げたけど、□長がかまれた!」
自分は無事かい。

その次。
「ああ怖かった〜、猫におっかけられた」
猫、割と好きでしょ。怖いですか?
「塵捨て場から、死んだ猫が『捨てんといてくれ〜』って走って来た」
‥‥それは怖い。

どうやら「焦り」の気持ちが夢の中で
「動物に襲われる」という形をとるようです。


それで、昨夜は何に襲われたんですか。
「ネズミが足をかじってきた」
‥‥どんどん小さくなりますね。
「サンダルの底が厚いから最初は大丈夫だけど、
振り払ってもまた白いマウスが続きをかじるから」
え?ネズミって、実験用マウスですか?

白ネズミの夢と言えば普通は吉兆と言われます。
私達はサザエさんに悲鳴をあげさせるような
ちょろちょろ屋内を走るネズミの姿を
実際に目にする事はありません。
猫が自慢げに持って来る戦利品も、
走って逃げ去る事はありません。

普通の鼠の姿を見た事がない者の夢に
いわゆるネズミは出てはこれない。
生き生きと動く様を見慣れているのは
ピンクのしっぽに赤い目で純白の体の
アルビノのハツカネズミという事になります。
BL/6を扱う従姉妹の娘は黒いネズミの夢を見るのかも。



でも、夢の白いネズミはネズミの姿をしていても
本当はネズミではなかったのかもしれません。

帰りが遅くなった連れは寝る直前に新聞を読んでいました。
地方紙には絶滅を宣言された昔馴染みの哺乳類を惜しみ、
地元各地で撮られたたくさんの写真が載っていました。

ヌートリアは殖えているというのに。
「あんな大きなネズミ、いやだ」
そんな話も前日にしていました。

かわうそ→ぬーとりあ→ねずみ→まうす

齢経る獺は化けると謂ふ。
昔、川で遊んだ児の夢に、
化けて出でたか、かわうそ。
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by otenki-nekoya | 2012-08-30 22:39 |

かわうそ、もう君はいないのか

水面から細長い身体を起こして
銀色の魚を小さな両手でつかんで齧る、
丸い頭を回してカメラを見る、

ローカル局は手持ちの画像が豊富です。
全国ニュースは川を泳ぐ最後の目撃映像でした。

「こんなのが川に居たら楽しいのに」
子供の頃、夏は毎日川で泳いでいたという連れが呟きます。
もしかしたら子供達は気がついていなくても、
本当にそのころは一緒に泳いでいたのかもしれません。


地方自治体の広報紙は秋に備えて、
鳥獣被害を防ぐ特集を載せています。
各農家や集落でできる対策として、
『お墓のお供え物は持ち帰りましょう』
『集落に現れたサルは、他人の畑でも追い払いましょう
(次はあなたの畑が狙われるかもしれません)』
『しつこいイノシシやシカは狩猟免許を取って駆除しましょう』
電気柵の設置のコツなど、
「できる事から」取り組むようアドバイスされています。

狩猟免許を取る‥‥。
「イノシシ狩りって、ほとんど犬がやってくれるんだって」
銃を持つ前に、犬を飼う方が先ですね。

カワウソももし殖えていたら、罠のウナギを取るとか、
養殖の網を破る、などと駆除対象になっていたかもしれません。

そうはなりませんでした。

夏休みが終わります。
雨で濁った川からはニンゲンの子供達も姿を消し、
もちろんニホンカワウソも見られません。


 けれどもみんなはまだ、どこかの波の間から、
 ニホンカワウソが出て来るか或いは
 ニホンカワウソがどこかの人の知らない洲にでも着いて
 立っていて誰かの来るのを待っているかというような
 気がして仕方ないらしいのでした。
 けれども俄かに環境省がきっぱり云いました。
 「もう駄目です。消えてから三十年たちましたから。」
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by otenki-nekoya | 2012-08-29 19:04 | TV

天の川の見えない八月

この夏の天候は出だしから調子がおかしくて、
梅雨明け十日は例年かんかん照りになるものを
なんとなく雨が降り止みませんでした。

梅雨が開けたのに天の川が見えない、
と、言うと、連れが驚いた様でした。
「えっ、あまのがわって、タナバタでなくても見えるの?」

‥‥。
七夕が雨にならないように皆が祈るのは
織姫・彦星・天の川が年に一度、
七夕の夜にしか見えないからなのですか。

‥‥ではありませんね。
天の川の事なんて普段は考えた事もないから、
天の川はあなたの世界に普段は存在していない。
天の川という言葉を聞いた瞬間にだけ、
天の川はあなたの世界に現れる。
だから天の川の存在するのは七夕の時だけ。


天の川なんて、一年中見えますよ。
夏の天の川は一番幅が広くて目立つのです。
星なんて、そう簡単に動くものではありません。
「金星はなんだかいつも動いてるよ」
だから惑星と呼ぶでしょう。
うろうろ惑う星。
「ああ、そうか、惑星以外の星はぜんぶ太陽だね」
そうです、ほとんどの星は太陽系外の太陽
‥‥ややこしいので恒星と呼んで下さい。

充分星が見える環境に住んでいても、
マーズの六月の日記にあるように、
あれが天の川だ、と知っていて見る人は
やはり本当に少ないようです。


八月初旬の花火の終わり、
天の川の事を思い出したときには
もう雨が降り始めていました。
天の川の中を打ち上がっていたはずなのに、
花火しか見ていなかった。
あそこに白く幅広い柱のように
立ち上がっているはず。

八月の天候は本当に不安定でした。
「あまのがわ、見たよ!」
連れが嬉しそうに言います。
「三日月より細い月があって空を見たら」
確かに、月が明るいと天の川は見えにくい。
「白いものが伸びていた。あれが星の集まりとは判らないね」
急いでベランダに出ましたが、空はまたも雲に覆われました。

旧暦の七夕も過ぎたのに、
毎晩目の前に立ち上がるはずの天の川は
いまだ見る事がかないません。
台風は遠いはずなのに、
今日はいきなり台風並みの暴風雨に巻き込まれました。

前言は撤回します。
天の川は、一年中見えるものではありません。
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by otenki-nekoya | 2012-08-28 20:25 |

虹に呑まれる

夕食にしようとベランダのテーブルにつくと、
東の雨雲の前に虹が出ていました。
「いつもあそこに出てるね」
先週も、去年も、
夏の日曜の日暮れ時の虹はいつもあそこに見えます。

遠くの台風の波が届き、
町中の物音も湧き上がる蝉の声もものともせず
怒濤が響いています。

遠くの台風の雲が届き、
ここ数日はつよい日射しを折々遮っては
東から西へ雨雲が流れます。

「普段は西から東へ雲が流れてくるのに」
東に現れた雨雲の雨粒に西日があたって出来た虹は、
雨雲がこちらに近づくにつれ雨粒が大きくなるせいか、
画像処理したかと思える程どんどん色が鮮明になります。

国道の向こう側のガソリンスタンドの
もひとつ奥の黒っぽい屋根から、
燃え上がるように幅の太い虹が立ち上がり、
弧を描くというより直立する虹の外側には
もう一本淡い裏返しの虹が並びます。

ガソリンスタンドが虹に捕らえられたかのようです。
西の、向こうの建物から見たら、
私達が二重の虹に囚われているように
見えているかもしれません。

夕陽で橙色に光る雲の角が頭上を過ぎ、
暗く濁った雨雲の腹の下に入ると
屋根の下なのに細かなミストを浴びます。

ゆっくり大きな魚が泳ぐように雨雲は
熱い路面を冷して通り過ぎました。

怒濤に乗せて秋の虫の声がします。
涼しい夜になりそうです。
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by otenki-nekoya | 2012-08-26 21:34 |

海風の民

舟の舳先に立つような、
心地よい風が海から吹いています。

日の出とともにブルーベリーやオクラを摘んで
朝の九時には出荷も全て終えた人達が
そこここの日陰でずっとおしゃべりをしています。

用事があってもぎりぎりになるまで
冷房の効いた店舗内などに入る人はありません。
日が長けると路上の人は消え、
風の抜ける暗い家の奥で休むようです。

この喜ばしい風が、山を高く越えて遠くの街に下る時、
ただごとならぬ暑さを生み出していると思うと
なんだか申し訳なく思います。

天気は一日のうちに何度も目まぐるしく変わり、
晴れていても突然激しい俄雨が訪れます。
時には青空の下で豪雨に見舞われる事もあり、
きらきら輝くクリスタルが降り注ぐようです。
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by otenki-nekoya | 2012-08-21 21:32 |

私を知らない競争者

決して我が愛読書を恥じた訳ではありません。

ただ、この町には私が姿を知らない幾人かのライバルが居ます。
町に一軒の書店に割り当てられる数量の少ない新刊書籍、
例えば角川文庫の山田風太郎復刊や有栖川有栖のノベルス。

山風は私のほうが持っていない分だけ手を出すので
たまにしか争奪戦にはなりませんが、
先月出た『闇市日記』は狙っていたのに負けました。

有栖川有栖のノベルスは特に、
毎回先を越されて買われてしまいます。
稀覯本でもあるまいし、中心市街地の書店ならば
問題なくいつでも手に入るものですが、
その感覚が抜けないせいで、
地方での勝負の気合いが足りていないのかもしれません。


 そんな町で。
人目に触れる可能性のある場所にうかつな履歴を残したら。
それを姿も知れぬ競争者に見られたとしたら。

 ある夜、町の居酒屋で隣合った見知らぬ人物から
「失礼ですが」と声をかけられるかもしれない。

「謎解きがお好きなのではありませんか?」
 いけない。答えてはいけない。

「先日、私は実に不思議な体験をしましてねえ」
 いけない。耳を傾けてはいけない──


 無意味な妄想は、退屈そうな声に遮られた。
「ノベルスは毎回先を越されている、と言ったよな」
 そうだ。私はこの町では一度も現物を見た事がない。
「最初から一冊も入っていないんじゃないのか」
 失敬な。いくらノベルス割当量が少ない地方店とはいえ。
私は反論を試みる。
「いくらなんでもそれはないやろ。
現に、新刊単行本は毎回山積みや」
 山積みは誇張である。
「文庫は」
「大概売れ残っとる。お互いほとんどが既読やからな。
文庫版あとがきだけ読んで棚に戻すわ」
 棚のなかでじりじりと背表紙の列が長くなっていくのは、
新規読者が現れていないという証拠で、淋しくもある。
「だったら」

「ノベルスを買ってる奴は、そんな呑気な競争相手が居る事に
気がついていないんじゃないのか?」

 おそらくそうなのだろう。
私が一方的にライバル視しているだけなのだ。
「そいつはお前と違って新刊をずっと心待ちにして
こまめに書店に通っているんだ。
いじらしいじゃないか、譲ってやればいいだろう」
「せや──な」
 曖昧な相槌を打ちながら隣を見ると、
相手の顔にかすかな安堵の表情が浮かんだように見えた。

「おまえかっ!」

──そんなわけはありません。
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by otenki-nekoya | 2012-08-18 21:47 |

リレキ詐称

田舎の人口が最も増える盆休み、
常になく賑わう店舗内に紛れ込みます。

町に一軒だけの郊外型大規模電気店と、
町に一軒ずつの携帯電話会社各支店。
店員が客の対応に追われている隙に──

悪事を働く訳ではありません。
そういえば、『カラスの親指』(講談社文庫 著/道尾秀介)の
映画化、予告を見る限りでは原作に忠実な作りのようですが、
しかしあんなに目に立つ外見の主人公では成立しない話なのでは。

──目立たないようにタブレット端末を手に取ります。
落雷でネット回線がダウンした時、
ふとタブレットを所有してみるのはどうだろうと思って。

電車通勤者は少ないけれど屋外作業従事者が多い地域です。
しかも園芸農業等はデータが命。
掘り起こせば良い市場になるのではないでしょうか。

しかしながら町内でiPadを取り扱う店舗はなく、
某携帯一社はデモ機がバッテリ切れで動かず。
このあたりではあまり需要がないようです。

店員さんが説明に飛んでこない程度に操作します。
あまぞんのサイトでも開いて作家名で検索、
誰にしよう、アリスでも打ち込んでみようか、
タッチパネルで‥‥H・I・G・A・S・I・N‥‥

日和った。
日和りましたでコイツ。

カンニンな。
ほんまにセンセ、カンニンやで。
うちかて見栄ちうものがあんねん。

町に一軒の店舗というのは、
私が今後も頻繁に出入りする可能性があり、
私の個人情報も保持している訳で、
私が気付かなくても店員さんやお客さんが
私に気付く可能性もあるので、

残される履歴もなるべくあたりさわりなく。

小さな町というのはほとんどの店舗が
徒歩数分圏内にまとまっていて便利ではありますが、
小さな町というのはこういうところが不自由です。
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by otenki-nekoya | 2012-08-17 21:42 |

いきをふきかえす

先週来の悪天候は回復しましたが、
いぜんインターネットに接続できません。

雷でモデムがふっとぶという話もよく耳にしますが、
屋内のケーブル、接続、機械の動作、初期化、設定、
思いつく限りのチェックを済ませた感じでは
うちの機械達はそれはそれは一生懸命働いています。

壁に吸い込まれていくラインを見ます。
おそらく、この先がつながらない。

故障担当部署に電話します。
「お客様のほうでそこまで確認していただけているのなら」
話は早い。
「今からこちらで予備の回線につなぎます。電話を切ってしばらくお待ち下さい」

電話を切って数分、いきなりこれまでと様子が変わりました。
点滅し続けていたランプがひた、と止まり、
すうっと息を吸い込むようにブラウザの画面が変わります。

つながった!
間髪を入れず電話がかかってきます。
「あとは外での工事になります。
もし不安定になるようでしたらまたご連絡下さい」

やはり回線が雷で落ちていたのでした。
ああよかった。
まるで思い切り呼吸ができるようになったようです。

しかし、落雷の夜からもう五日は経っています。
週末+お盆だったとはいえ、私以外にも不通になった人は多いはず。
申し立てがないと修理はしないのでしょうか。
それともお盆休み明けに出社したらえらいことになっていた
‥‥というパターンかな。
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by otenki-nekoya | 2012-08-16 21:12 | 普段

龍の巣

五輪が終わってようやく早く寝られる
‥‥と思ったのですが。

夜中の三時ごろから翌朝までずっと
雷鳴が続いて眠れません。
先日のようにここの頭上ではないものの、
町の入り口の低い山をはさんだ向こうで、
不思議な事にこちらには近づかず、
ずっと同じ距離で轟いています。

そんな明け方が二日続きました。

ニュース映像で、見慣れた地区が
巨人の通り道のように踏みしだかれています。
停滞する巨大積乱雲が産むのは雷だけではない。

私は横になってずっと巨獣のあしおとを聞いていたのでした。
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by otenki-nekoya | 2012-08-15 21:08 |

乱舞

お城下のライトアップの中で色鮮やかに舞踊る
夏祭りのTV中継映像がいつのまにか
黒いアスファルト路面を映し出し
画面上にお知らせのテロップが出ています。
『祭りは雷雨のため中止になりました』

珍しい、雨が降ろうが槍が降ろうが踊り狂う人達が。
お囃子の伴奏機材が使えなくなるからでしょうか。

数時間かけて、祭りを止めさせた雷雲が近づいてきました。
これは、確かに踊っている場合ではない。
ひっきりなしに空は紫白に明るみ、
やがて立て続けに雷鳴が、

TV画面が消えました。
電灯も時々すうっと暗くなります。
すごい電圧です。

TVとパソコンの電源を切り、コードをコンセントから抜き、
ケーブル類も取り外します。

落ちた。
近い。

近所の消防署がサイレンを鳴らし、
消防車が次々と出動します。

火事になったのか。
光る空に照らされて浮かび上がる町の中に火の手を探します。

また落ちた。


ひとしきり暴れた雷雲は夜半には過ぎ去りました。

翌日、落雷によって二軒の木造家屋の火事があり、
うちからインターネットがつながらなくなっている事を知りました。
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by otenki-nekoya | 2012-08-11 22:59 |
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日記


by otenki-nekoya
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