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みずたま

正午といえどもやや傾いたような赤味を帯びた日射しの中で
舗装路もビルも人造のものはことごとく灼熱の塊と化しています。

不意に、
青い水玉が。
対になった青い水玉が一面に。

はっ、と我に帰ります。
つゆくさ。
アスファルトの角から噴き上げるように青い露草が。
つゆくさの青って、こんなに青かったっけ。
昔から見慣れていたはずなのに、
あかく灼けた街の中で見ると、
本当に、水のように青い。

赤茶けた砂漠の中を彷徨って、
青い湖を見たくらい、
そのくらい驚きました。
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by otenki-nekoya | 2011-08-30 13:39 | 散歩

『ほんまでっか、ユキチはん』

千円札の男が目出たく鎮まったので、
一万円札の男も締めておきましょう。

「『福翁自伝』を読まないのは人生の損失」とまで
北岡センセイが言い切った福沢諭吉の自伝、
やはり「人生の損失」を真に受けた人がいたようで、
町に一軒の書店でずっと店晒しだった
岩波文庫版は売れてしまいました。

でも『現代語訳 学問のすすめ』(ちくま新書)の
斎藤センセイはさすがの気遣い、ちゃんと次に
『現代語訳 福翁自伝』(ちくま新書)を出してくれました。
「さらっと読める」ことをめざした抄訳だそうですが、
文語体が読めない連れにもこれはありがたい。

それにしても。
子供の頃、ご神体の中身を入れ換えたイタズラとか、
緒方洪庵先生の適塾の学生達はものすごくむさくるしい、
などという話はかねがね聞いてはいましたが、

福沢センセイ、あなたというひとは。
貧しくて元気のありあまる若者の、爆走する青春の荒っぽい事、
「今のようにちょいとも警察というものがなかったから」
‥‥って、そういう問題じゃないだろう、というほどの暴れ放題、
蘭学を学ぶ天下の秀才、マッド・サイエンティストのタマゴ達が
競って商都・大阪の平穏をかき乱す。
ウソだと思ったら読んでみてください。

考えてみれば、彼等は幸せだったんですね。
もう十年生まれるのが遅かったら、
貧しくて元気のありあまる若者達は
京都に血の雨を降らせていた。

攘夷や王政復古について語っている所は知らないと読みにくいから、と
現代語訳ではカットされているらしいので、
そのあたりの福沢の考えを知るにはいずれ原典を読まないといけないようです。

その後のアメリカ珍道中、福沢センセイの意外な弱点、などなど
快活でドライな福沢センセイの人生はあっという間に読めてしまいます。
冒頭に斎藤センセイが「『偉人』の伝記だと堅苦しく思われて、
読まれないのがもったいない」と述べていましたが、
この『福翁自伝』というタイトル自体があまりにも威厳がありすぎるのでは。

と、いうわけで、とっつきやすいタイトルを考えてみました↑
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by otenki-nekoya | 2011-08-16 20:05 |

つくつくぼうし

そろそろさしもの日射しも傾きかけようかという頃、
「やられた!」
と、辻斬りに合ったような連れの悲痛な叫びが。
虫にでも刺されましたか。

「ツクツクボウシが」
つくつくぼうし。
「今、鳴いた。夏も終わりだ!」

連れは夏が終わるのが大の苦手です。
暑いのは嫌がるのに。
子供の頃夏休みの最後まで宿題を全部ためていたとか、
夏の終わりになにかあったのでしょうか。

「夏が終わる。いやだなあ、夏が終わるのって」
あ、そうか、逆なんですね。
夏が楽しくて、
夏が楽しくて楽しくてたまらない子供だったんだ。
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by otenki-nekoya | 2011-08-14 18:41 | ベランダ

魂魄ここにとどまりて

全国紙の編集委員さんのコラムに、
千円札の男の亡霊が紹介されました。
なんと、国会議事堂中央の尖塔のてっぺんに
伊藤博文の「影」が立っている──という。

あの階段状の屋根は、設計者の師匠がデザインした
伊藤博文の銅像の「土台」がモデルになっているので、
あの屋根のてっぺんには目には見えないけれども
本当は伊藤が居るのだ──と。

そうだったんですか。
国のために生き国のために死んだ伊藤公の銅像は
日露戦争後市中引き回しにあったり金属供出に使われたり、
出身地はなにか上級士族の念が遺っていて
農民出身の伊藤は落ち着けない感じでしたし、

国会議事堂中央広間のトリオでも
大隈さんといえばやっぱりW大でガウンに角帽、
板垣さんといえば郷里で演説中の決めポーズ、
伊藤さんの魂はどこに居るのでしょう、と思っていました。

連れが書店から戻ってきました。
「新聞に載ってた『伊藤博文』(中公新書)はあったよ。
文体がちょっと読みにくくて買わなかったけど」
いいですよ、私も伊藤博文本人の事が知りたいわけではありません。
ただ、この春先からなんとなく淋しげな伊藤公の影が気になって。

TVニュースで、いつものように国会議事堂が映ります。
ああ、ほら、あの見慣れただんだん屋根の先端に、
本当だ、千円札の男が立っている、
フロックコートを着て薄い髭を風になびかせて。

良かった。
そこに居たんだ。
そこにずっと居たんだ。
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by otenki-nekoya | 2011-08-13 18:36 |

亡国の王家

BSは視聴していないので、たまたま地上波で
初回だけ放映されていたBS時代劇で
登場した国王の名を聞いて、懐かしくなりました。

昔、日本人は数少なかった米国南部の町で
親しくなった御一家の姓です。
東京生まれの東京育ち、ちゃきちゃきの江戸っ子、
しかしてその実体は琉球王の直系でした。
末裔というほど遠い話ではありません。
御家代々の墓所も宝物も寄贈され、国宝になったようです。


私は沖縄ではいつもいわゆる滞在型リゾートに宿泊し、
繁華街のほうにはほとんど行った事がありません。
朝食はホテルのバイキング、昼食はほとんど毎回ソーキそば、
ひとけのないグスクにまるで自分の城のように居座ったり、
レンタカーで基地を見物してまわったり、珊瑚礁の海を見たり。

琉球王国統一の歴史と、米統治下時代については少し知ったものの、
現在の日本の一地方としての沖縄はあまり印象にありません。


日本軍敗走後、もし他の南の国々と同じように
独立したい、と願っていたら。
「琉球国!美しいね、琉球国だったら」
場所が良すぎる、というかこの場合悪すぎるといいますか、
強国に囲まれた立地が華麗な文化を育んだわけですが、
囲んだ強国達は小さな島々をそっとしてはくれない。
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by otenki-nekoya | 2011-08-12 18:30 | 散歩

夜の秋

昨日が立秋、この暑さは残暑、
とはいいつつこれからが暑さとの勝負の本番です。

低い月の光の射す部屋の中でぼんやりしていると、
秋の虫の声が一斉に聞こえてきました。

たしか三日前の花火の夜にはこんなに聞こえなかった。
秋は来たようです。
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by otenki-nekoya | 2011-08-10 21:42 | ベランダ

よみがえる

日の高いうちは全人類が死に絶えたような町、
日が暮れてすぐでもまだ暑い、
真っ暗になってから運動に出る人が多いようです。

「港は夜も明るいから割と人がいるよ」
田畑の中は本当に真っ暗なので歩く事もできません。
「さっき、歩き方がどうもへんだなあ、という人を見かけて」
はい。
「見たら顔がない」
え。
「後ろ向きに歩いていた」
ああ。普段使わない筋肉を鍛える
‥‥夜道ではしないほうがいいです。
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by otenki-nekoya | 2011-08-08 21:39 | 散歩

特等花火

毎年恒例、夜はベランダからの花火見物です。

今年は予算も少ないはずなのに、
のっけからこれはどうした事だ、
と身を乗り出してしまったくらい今年の花火は
立体的で組み合わせが絶妙で種類豊富で
星の一つ一つの輝きの鮮やかさまでがまるで違う。

打ち上げプログラムが年々進化するとはいえ、
一年で玉のレベルまでこんなに上がるわけはない。
日本中あちこちで花火大会が中止になったと聞きます。
余波でいつもの花火以上の花火が回ってきたのでしょう。
あちこちの窓で例年以上の感嘆の声があがります。

斜めに何本もリズミカルにうち上がり、
地上から銀の尾を引いて消える花火がありました。
打ち上げ場近くにいれば音楽に合わせて華やかでしょうが、
ここから見ると流星のようでなんだかさびしい。
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by otenki-nekoya | 2011-08-07 22:35 | ベランダ

祭の支度

炎天下の海の近くの広場にステージが設けられ、
広場を囲んで屋台がどんどん立っていきます。

おなじみオレンジ色のボックス二つを台にして
プロパンガスと鉄板と発電機、鉄パイプの柱、
斜めにかけた布屋根と売り物の名ののれん、
みるみるうちに海沿いの道にも出店が並んでゆきます。

工事用コーンで仕切って、県外ナンバーの車が停まる、
ここから先の海岸は花火師さんの領分。
日が傾くのを待って職人は日陰で涼んでいますが、
ずっしりとした包みが砂浜の上に長い堤のように置かれ、
まだ荒い波がその背後で白い飛沫になって崩れます。

夏の海が綺麗なのは、水平線に現れる潮流の濃い色と
強い太陽の光が水深く射すためだと思っていましたが、
さらに波の高い夏の海はうねりがあるから、
海全体がきらきら光る。
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by otenki-nekoya | 2011-08-07 22:31 | 散歩

露店市

日中の日曜日の住宅地の中の市は更に閑散としています。

売り物もほとんどない台の上のラジオから、
往年のアクション映画スターの遺品がオークションで
百七十万香港ドルで落札されたというニュースが流れました。

露店の奥に横になってるおじさんがいきなり跳ね上がり
奇声を発しながら襲い来る悪漢達を次々と薙ぎ倒す
‥‥というマボロシが脳裏に一瞬浮かびます。

風景的にはそれほど違和感はないかもしれません。
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by otenki-nekoya | 2011-08-07 22:28 | 散歩
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日記


by otenki-nekoya
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