narcia

nekoya2010.exblog.jp ブログトップ

カテゴリ:天( 44 )

遠く見る

降る雪を見ています。


とても遠くから。


県下では平野部にも白いものが舞ったそうですが、

この里までは雪雲も届かぬようです。


日のいっぱいにあたる山々は

あちこちやわらかく色づいています。

一番奥の峯の上にかかった雲から

降りそそぐ雪が日に照らされています。


遠くの山のてっぺんに

短い白い虹が立ったようです。




昨日TVで、ノーベル賞受賞者の

帰国インタビューをしていました。

遠目にも、24金の本物のメダルよりも

メダルをかたどったチョコレートの金紙のほうが

ぴかぴか光っていました。



[PR]
by otenki-nekoya | 2014-12-17 22:16 |

天窓の月

雨の強い土地に雨の多い夏と秋だったので

明かり取りの天窓からたびたび雨が漏って、

頻繁に天井でぽた、ぽた、と音がします。

何度直してもらってもしばらくするとまた音がします。

継ぎ目のある、ちょっと凝ったデザインの屋根は

どれほど工夫を重ねても太刀打ちできない気候なのです。

なにしろ真横からも下からも雨が降るのです。


もうあきらめて、いずれ天窓はつぶしましょうと言う事になりました。

日中部屋が暗くなるので電灯を増やして。



夜、灯を消した部屋で天窓を見上げます。

擦り硝子なので素通しでは見えませんが、

満月がさしているのがわかります。

硝子の上の屋根の一画がぼうっと白く光っています。


目が慣れてくるにつれてますます明るくなります。

壁に窓のない部屋の中に月光がふりそそぎます。

フローリングに白い光が反射しています。


閏九月、立冬の満月です。



[PR]
by otenki-nekoya | 2014-11-07 23:25 |

あらしのなかのアラビアンジャスミン

六月の夜、暗い網戸の向こうから漂うひんやりとした湿気の中に

茉莉花・アラビアンジャスミンが香ります。


八月の夕方、台風の来る直前にベランダの鉢植えを避難させていると

ゆるく支柱にまとわせた枝一面に今にも開きそうな白い蕾が。

一晩で散る茉莉花の小さな白い花が

雨ばかりの八月に再び大量の蕾をつけていたのです。


まるごとが花嫁の純白のブーケのような鉢を

部屋に取り込み、サイドテーブルに載せます。

この異様な気候条件が誘ったのでしょうか。

まさか台風の夜にいっせいに開くなんて。


穏やかならざる夜が更けるにつれ、

ホースで窓を洗うように雨が真横に打ち付け、

波飛沫やら折れた枝やら園芸用ビニールやらが空を舞う。

阿鼻叫喚の中、風圧で揺れる部屋の奥では

時折、茉莉花が深く香りました。



九月の真昼、久しぶりに青空をあおぎます。

日射しは強いけれどさらりと乾いていて、

ペットボトルのさんぴん茶を飲んだ瞬間、

その香りで思い出したのです。

沖縄ではなくて、嵐の夜を思い出すのか。



翌日になると白い花は部屋の中で雪のように残らず落ちて、

黄緑色の丸い葉の何の変哲もない鉢植えになっていました。


[PR]
by otenki-nekoya | 2014-09-14 21:41 |

打ち上げ花火に水をさす

八月初めの週末恒例、地元のお祭りと花火大会は

「悪天候のため延期」となりました。

中止ではなく延期です。

九月になって日程を短縮し、ようやく行われる事に。


いつもは市街を二日かけて練り歩く踊りも、

海沿いの施設の敷地のステージで披露するようです。

急の雨でも雷でも避難出来るビルがあるからでしょう。


かすかに聞こえて来る踊りの拍子が時折雨でとぎれつつ、

花火打ち上げの時間が近づいてくるのですが。


天気予報の画面ではこの一ヶ月、毎晩見慣れた、

「大雨」「洪水」「雷」のスリーカードが並んでいて


沛然として、とはまさにこの事、

花火開始三十分前。

防災用に増設されたスピーカーが一斉に

‥‥雨の音が強くて聞き取れませんが、

「悪天候のため□□□、悪天候のため□□□、」

えんき、か、ちゅうし、か、いずれにせよ、


向かいのショッピングモールの屋上で待っていた人達が

立体駐車場を降りて来るヘッドライトがきらきらと列になります。

豪雨は一時間でおさまりましたが、空は紫色に光り続けています。



翌日の地方紙で、延期になっていた祭りが行われ、

打ち上げ花火は悪天候で中止、と載っていました。


今年はベランダから見る花火、ないんだ。

まあ、今夜こそは晴れるでしょう。

そうしたら、お月見をしましょう。


[PR]
by otenki-nekoya | 2014-09-08 21:43 |

太陽の射さない八月

八月になってから

夜毎、轟く海鳴をきき

夜毎、唸る南風をきき

夜毎、響く雷鳴をきき

夜毎、叩く雨音をきき


二週間ぶりに日が射しました。

久しぶりに見た日の光は午後まだ早いというのに

傾く陽のオレンジ色になっていました。


切れ目のできた雲間から見上げると、

頭上にあるのはそそり立つ入道雲で


私達はずっとこんな雲の底にいたのか。


つかの間開いた雲の壁は再び塞がり、

日のささない次の一週間が再び各地に雨を落としました。


暑くない。

八月なのに。


以前、南の国の知人が

「六月が一番暑い」と言っていましたが。

六月?八月じゃなくて?

「八月は雨期だから涼しいよ」

へえ。ニホンの雨期は六月で、八月がとにかく暑いですよ。

日が射すから。


日が射さないと本当に八月は暑くないんだ。

八月最初にマーズが予言した通りの

奇妙な夏になってしまいました。

きっと去年、二年分の夏が来たのです。


更に八月最後の週もずっと傘が手放せず、

‥‥と思ったら最後の最後の一日だけ晴れた!


書き留めておきましょう。

呼吸をしていても水の中を漂うようだった、

2014年の八月。


[PR]
by otenki-nekoya | 2014-08-31 21:59 |

月がとっても青くない

 月がとってもあおいから〜♪

「月は青くないよ」
古典的昭和歌謡を聞いて、連れが不思議そうに言います。
TV画面の周囲の青い枠には、台風情報の字幕が流れ続けています。

そうですね。天高くある月は白い。
「あとはだいたい、黄色とか。赤い時もある」
地面に近かったり、空気の層に濁りがあると赤い月になります。
「青い月ってないよね」
そうですね。青いのは、月そのものではありません。


レッドカード・イエロードをありったけ横に並べたような
大雨、洪水、強風、波浪、雷、竜巻の警報・注意報に、
高潮のカードが加わりました。
「高潮まで‥‥」
よりによって明日が満月ですから。
「大潮なんだ」
それも特別に地球に近い。
「あ。スーパームーン!」


そして歩みの遅い嵐がようやく過ぎました。
通常、台風一過は晴れ渡るのですが、雲は残ったままです。
それでも夜になると風雨に洗い流された空に切れ間が出来ました。
さあ、ごらんください。

「うわあ、まぶしい!」
反射物とは思えない、白色光の照明灯を直に見るような月。
じわじわと真円に近づくにつれ威力を増していきます。
「大きいかどうかはわからないけど、いつもよりずっと明るい!」
照らし出される瓦や樹々もくっきりと浮き上がって見えます。
「たしかにこれは、スーパーだー」
いいえ。今宵の月は『エクストラ・スーパー』。
‥‥必殺技か。


ところで、聞き慣れているので聞き流していますが、
いつも地元で流れている曲の歌詞を御存知ですか。

 あーおい、つき、よの、はーまべえ、にはー♪

「えー、あれも青い月なの?」
そうではありません。
 
 青い月夜の浜辺には

「青い月夜」
これならどうですか。
「青い月夜、なら良いよ」
そうでしょう。
「月は青くないけど、月夜は青いよね」


ここまで打ち込んで、このパソコンの背景に気付きました。
旧いけれどモニタが大きいので、たまに連れも使っています。
気に入ったポストカードを何年も前に取り込んだもので、
夕暮れの空と湖面に城のシルエット。
一面の青い世界の上に、大きな白い十日の月。

 月は青くない。月夜は青い。

これだったのか。
[PR]
by otenki-nekoya | 2014-08-11 21:33 |

春のおとずれ

日曜日、いつものコートで出ようとする連れを止めます。
歩いているうちに、日陰日陰を追うようになりました。
ジャンパーとセーターをこんもりと抱えて連れが言います。
「極端な事を言うけど、寒い方が良かった!」
極端です。

月曜日、布団から首を出したとたんくしゃみがとまりません。
近くの部屋で朝の七時から内装工事をしているのですが、
業者さんが扉から出るたびに大きなくしゃみをしています。

昨日の暑さで、ついに山の蕾が開いてしまいました。

電車で向かい側の席に座っている若い女性も鼻をすすっています。
まさか一日でこれほどになるとはねえ、と見ると、
あ、違った。
ベストセラー紹介で見慣れた表紙の文庫本
『永遠の○』を読んでいるところでした。
[PR]
by otenki-nekoya | 2014-02-04 22:36 |

蝉の声

スーパーの菓子売り場や小店のウィンドウは
ハロウィンカラーで賑わっているというのに。


テーブルに向かい合わせた人物が
薄暗い喫茶店で会話する場面を思い出します。

むかしの人気アニメの劇場版のワンシーンなのですが。

やつれ果てた男性教師が、自分が感じている違和感を訴えます。
凛とした女性教師が、哀れむようにその考えをいなします。

(自分達はずっと前から同じ一日を繰り返しているのではないか)

 今日はいったい、何月の何日でしょうね。
 こんなものを着ておるとすれば、
 冬なのかもしれませんが。
 この汗は冷や汗なんですかね、
 それともこの陽気のせいなんでしょうか。
 それに。さっきからきこえているこれは

愕然とした女性教師の背後の窓から
樹木の緑の輝きと
大音量のセミの声があふれだす──


明日になれば、明日になれば、と思い続け
明日になっても今日と昨日とかわらずに。

いつまでたっても外気温は摂氏三十度を越え続け、
最低気温というのはたいていは日の出時の一瞬なので
夜の間はずっと暑く、毎晩結局夜中に窓を開け

そして毎日毎日ずっときこえているセミの声。

サクラ先生、教えてください。
今日はいったい、何月の何日でしょうね。
[PR]
by otenki-nekoya | 2013-10-12 18:50 |

風の部屋

♪南さ向いてる窓を開け〜

いや普通に。
南に向いている窓と北を向いている窓を開け、
その間の扉も全部開けると風が吹きぬけます。
この部屋に引っ越して来てからは
これまでエアコンを使った事がありませんでした。

窓の向うには海があります。
反対側の窓の向うは山に続く里の地面があります。
陽が当たって地面が熱くなると
海の上の冷たい空気が吹き込み
この部屋が風のトンネルになるのです。


とはいえ伝説となりつつあるこの夏はどうするか。
例年よりはるかに高い室温が連日続きます。
その一方、この殺人的日射しが地面を熱すれば熱する程、
海に接した空気との温度差が大きくなるため、
風の勢いもまた、これまでになく強くなっているのです。

酷暑の中、昼も夜もいろいろ試してみましたが、
結局のところここでは窓を閉めてエアコンで室温を下げるよりも、
室温は高くても窓から風が吹き込む方がしのぎやすいようです。

風の道は直線が理想ですが、窓の位置がそう都合良くないので、
扇風機で強制的に風を送り、道筋をつけます。
時間帯、風向き等にあわせて扇風機を持ち回って調節します。


ぐわっしゃーん。
‥‥連れに扇風機を蹴倒されました。

な、なんということを。
でも人の居ないところで扇風機だけが
せっせと風を送っているとは普通は思わない。
風の導線ばかり考えて人間の動線を
考慮しなかったのがいけませんでした。


日中は海から、夜は山から、勢い良く吹く風も、
陽が翳り海と地面の温度差がなくなる瞬間、止まります。

「大地がいかりに満ちておる‥‥」
連れが毎回つぶやきます。
[PR]
by otenki-nekoya | 2013-08-16 22:23 |

川の上の道

一日降った雨はそれほどとも思えなかったのですが、
窓から見下ろす川は危うい水位に達しています。

幸い、夜遅くに水位は下がりました。
山の方で一時的に降ったのでしょう。

講演会の司会が回って来ていた連れも
車を水没させる事なく戻れました。

参加者の皆様、おあしもとの悪い中を
‥‥どころではありませんでしたね。

「天候の悪化する中、と言いながら‥‥笑いそうになった」
ほとんど、講演会場が避難所になる覚悟でした。


翌日の地方紙夕刊に、近くの山の写真が載っていました。
やはり、川の上流で集中的な豪雨があったのです。
一見、普通の滑らかな急斜面のようですが、
縦長の画面の中央に白い破線が太く引かれています。

道路のあったところです。

「ああっ、私の自転車コースがっ!なくなっちゃったっ!」

こんな空中を走っていたんですね。
[PR]
by otenki-nekoya | 2013-06-21 22:52 |
line

日記


by otenki-nekoya
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite