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カテゴリ:ベランダ( 28 )

とび、とぶ、とべ

ベランダの上から下へ垂直に、

トビが腹を見せて舞い降ります。


そのまま地面より下まで飛び、

川面で折り返して垂直に、

背を見せて舞い上がる。


紙ヒコーキみたい。


再びベランダに接近します。


これが食べたいのかな。

小さなざるに広げたシラス干し。

いいにおいがします。


朝どれ釜揚げちりめんが余ったので、

ベランダで干していたのです。


でも、猛禽の嘴でシラスは食べられまい。

第一、こんなに人に近くても野生は野生、

餌をあげるわけにはいかないのです。



昔、祖父が庭でトビを放し飼いにしていました。

ピーピー、ピーヒョロ鳴くから名前はピーちゃん。


餌は豚のバラ肉で、全力疾走で食べに来ました。

飛べないのです。ヒナの時、巣から落ちて。



豚バラ肉は御馳走だけど、

君はそんなもの食べなくていい。


シラスをあきらめた若いトビは、

川の上に飛んで来た銀色に光る物をキャッチして、

もちろん空飛ぶ魚なんていないのでリリースして、

そのまま舞い上がって行きました。


風の強い日なのです。

川岸のススキの綿毛が時折雪のように

きらきら光りながら飛んでゆきます。



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by otenki-nekoya | 2014-11-18 22:08 | ベランダ

あきのかぜ

ベランダから見下ろすと


センダンの葉が落ちて金色の実がずっしりとみのり

小さな川の水は澄み対岸の駐車場はがらんとして

ぽつんとまっさらな


──お墓が


蒼天から降りて来たように忽然と

秋風にみがかれたようにしらじらと


‥‥会社の駐車場に墓石?



何事かというと。

毎年十一月中旬の週末、お向かいの会社ではフェアを行います。


敷地いっぱいに金属ポールを組んだテント屋根を並べ

さまざまな飲食物や農産物や商品の出店を広げます。

川沿いの駐車場は臨時のフードコートとバンド演奏のステージとなり、

例年ならこのあたりでは一番気候の良い頃で、大勢の人が訪れます。


クレーンを使用するような展示商品は、

会場設営の前に搬入を済ませておかねばなりません。

例えばこんな‥‥墓石。



常になく冷たい秋風に吹かれ

ベランダからぴかぴかの墓石を眺めます。


『奥の細道』に秋風と墓の句がありましたね。

墓ではなく塚でしたっけ。


 塚も動け 我が泣く声は 秋の風

                  芭蕉



翌朝、『ゲラゲ▽ポーの歌』をスピーカーで流しながら

秋風の中向かい岸のフェアは賑やかにはじまりました。



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by otenki-nekoya | 2014-11-15 16:42 | ベランダ

鳥達の六月

鳥達の声が急に賑やかになるので、
外を見なくても雨がやんだのがわかります。

ベランダのコンテナの緑の中は
子雀達の格好の遊び場ですが、
それにしても声が大きい。

戸口からうかがうと、窓の近くの鏡の前、
ティッシュ箱の上に子雀が一羽。

好きなだけ鳴いて、飽きたのか
窓から飛んで行きました。

うちは部屋の中まで君達の遊び場か。


隣の公園にはなぜかいまだにウグイスが居着いて、
毎朝ホーホケキョ、と鳴いています。

夜九時にはどこからどこへかようのか、
ここには一声だけ残し
毎晩ホトトギスが通り過ぎます。
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by otenki-nekoya | 2014-06-08 22:29 | ベランダ

倫敦的天候

驟雨が去っていったと思ったら一転眩い日射し、
と思ったらいきなりの大雨、
五輪開催地ではあるまいし、朝から落ち着かない天候です。

女子マラソンは路面が濡れていますが、
こちらは雨があがりました。
ベランダの椅子に座って正面で上がる花火を見ます。

見事な花火だと、下の階の小学生兄弟が
「おおー」「おおー」と声を合わせます。
隣の小さな子供達はその声が面白くて
きゃっきゃと笑います。

低いのでここからは見えない仕掛け花火が
正面の高校の硝子窓越しにちらちら見えます。

いつも時間ぴったりに終わるのに
今回は数分だけ終了が早かったな、と思ったら
花火のうしろに大きく見えていたさそり座が雲に隠れて

ざあっと雨になりました。
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by otenki-nekoya | 2012-08-05 22:50 | ベランダ

鬼子母神

あれは連休中の真っ青に晴れた日の夕方でした。

ベランダの前に七、八羽のトビが柱を作っています。
こんなところに餌があるのだろうか、とみると、
トビの群の中心で一羽のカラスが。

一羽のカラスが、一羽のトビに襲いかかり、
執拗につつき、追い、叫び、掴みかかり、
振り切ろうとされても追いすがり、
争いながら遠ざかり、また私の前まで戻って闘い、

黒い怒りに燃える鳥。
やられたのか。
そいつが仇なのか。

赦してやれとは言えません。
おまえも同じ事をするだろうと言っても無意味です。
周囲を囲むトビ達も私もなすすべもなく見るばかり。

長い長い長い長い間。
黒い翼が力尽き、鳶色の翼が逃れ去るまで。
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by otenki-nekoya | 2012-05-27 21:56 | ベランダ

しめてけえ

川の向かい側の会社の敷地は広いので
ベランダの真下の橋に面した道は
平日は一般車も通り抜けに使うのですが、
日曜日は赤い鉄柵が閉ざされています。

自転車に乗った小学生が四人、片手にアイスを持って、
橋を渡ろうとしたら鉄柵がある。

一人が渾身の力をこめて押しますが、びくともしません。
もうひとりが逆にひっぱったら、‥‥するすると開きました。

自転車に乗った四人は隙間から外に出て
そのまま行ってしまいます。

あけたらしめなさい。
猫じゃないんだから。

一瞬、上から叫ぼうかと思いました。
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by otenki-nekoya | 2012-05-20 21:03 | ベランダ

ひとかけらの雨雲

さやが紫で実が褐色のツタンカーメンのえんどう豆、
ご飯に混ぜて炊くと、ツタンカーメンの呪いで
お赤飯のような淡い小豆色になります。

別ゆでしたうすいのえんどう豆と
スナップえんどうの黄緑色を彩りに加え、
えんどう豆のピラフでベランダのランチ。

白い曇り空の奥から、重くて低くて
あまり大きくない青黒い雲が一塊近づいてきます。

その雲の下だけ白く雨が降っています。

そこを自転車で行く人、
いますぐ全速力で山側に向かって
それから右に曲がれば振り切れる──

などという訳にはいかず、
自転車の人は突然の雨に濡れ、
やがてベランダも雨に包まれます。
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by otenki-nekoya | 2012-05-20 20:54 | ベランダ

訪問者

ベランダに強い風が吹いています。

付き合いの長い鉢植えのミニ薔薇、
年間通してぽつぽつと数輪咲くのが常ですが、
今回は冬の寒さに心がけを改めたか
ざあっと一斉に百輪近く咲きました。

あのくらいの寒さが本来の環境なのでしょう。
色も濃く、暗い天鵞絨のような深紅です。

手すりにかけたゼラニウムも満開です。
紫がかった暗い赤。

明るい色の花はありません。
香りの佳いオリーブ、レモンの花は満開でも
どちらも白っぽく目立たない。


ぽ、っと黄色い光が現れます。
風にあらがって舞うキアゲハ。
この高さまで来てくれたのか。

ベランダに入ろうと力の限り羽ばたきますが、
抵抗むなしく、強風に吹き飛ばされてしまいました。

春型はあんなに小さいものか。
眩い黄色にくっきり黒いライン、
煌めく青の斑に赤く輝く紋、

ごくありきたりの蝶なのに。
あんなに美しい生き物でしたっけ。
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by otenki-nekoya | 2012-05-19 19:48 | ベランダ

ひとひら

地上より春の訪れが遅いベランダでも
ようやく新芽が動き始めました。

食用・実用植物ばかりなので、
木守一つに残したレモンのレモン色以外は
常緑・新緑の緑ばかりです。

サンドイッチにしようと鉢植えの
サニーレタスの葉をぱりっと折りとると、
桜の花びらが一枚はさまっていました。

ここまで舞い上がって来たんだ。

見下ろすと、ここからはもうほとんど
緑の葉しか見えない樹から、
時折ためていた息をはくように
桜の花びらが吹き出しています。
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by otenki-nekoya | 2012-04-14 18:45 | ベランダ

あいにくのお日和

灰色の閉ざされた空にローター音が響きます。
お馴染みのドクター・ヘリの緊急出動ならば東に抜ける、
転院の場合は河川敷のランデヴー・ポイントに降りる、

なぜか爆音が一定の箇所に留まっています。
灰色の空の下で黒い腕のように里を囲む
なだらかな山の頂きの上、
筆で点を打ったようにヘリが空中停止しています。

山裾には公立の総合病院、少し離れて消防署、
山道を辿ったとていずれ数十分もかからないので
救助でも救護でもなさそうです。

視察でしょうか。
三月に入ってからはこんな空模様ですが、
それ以前は三ヶ月間に渡り雫の一粒も落ちぬ
それは見事な晴れっぷりでした。

里を囲んで海に伸ばした
腕のようななだらかな山は
メガソーラーの候補地のひとつとききます。
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by otenki-nekoya | 2012-03-15 19:44 | ベランダ
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日記


by otenki-nekoya
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