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カテゴリ:普段( 7 )

金紙のひみつ

いろとりどりの折り紙の中でも

金紙と銀紙は特別な存在でした。


全ての色の一番上にあって。

他の色と違ってぴかぴかひかって。


その大事な金紙を、

机の上から落としてしまいました。

ひらり、と縦になった金色の折り紙が

壁のコンセントをかすめる瞬間


小さなじっ、という音と白い光が閃きました。


床に落ちた金紙をみると、四角い紙の一角の、

光る部分と裏の白い紙がほんの少しなくなって、

薄い黄色の透明なシートだけが残っていました。


──アルミニウムは電気を良く通す。


引っ越す前の家での一円玉騒動を思い出しました。


金紙の先端が偶然コンセントの差し込み口に入り、

アルミが溶け、裏の紙は燃えたのだとわかりました。

窓に近かったコンセントより壁際の机の足下は暗いから、

小さな火花が散るのも見えたのです。


金紙って、透き通った黄色いシートに、

アルミかなにかの金属を薄く張って、

裏に白い紙を張ったものだったんだ。


ぴかぴか光る金色って、

ぴかぴか光る銀色+黄色だったんだ。


小さい三角の形に残った透明なシートは

なんだか黄ばんだような色で、

あまりきれいとは思えませんでした。


この体験のせいではないのですが、

その後小学校にあがって、

金色の賞をつけてもらう機会があっても、

あまりうれしくはありませんでした。


金色より銀色の方が純粋できれいだと思っていました。



物質としての価値は程なく教わりましたが、

それから何十年も経った今でも

「一番いい色」という言葉にはあまり納得していません。

それでも、首にかけられない金色のメダルは良いですね。


「首にかけられない金メダル?」


ノーベル賞のメダルです。



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by otenki-nekoya | 2014-12-12 22:06 | 普段

アルミでできている

五歳だったと思います。


私は当時住んでいた家の二階の窓辺近くに座っています。

遊びに来ていた数人の友達は部屋の真中を向いています。


窓の右側の壁にコンセントがあって、


どういうわけかわたしはそこから

めがはなせなくなっていました。


子供の視点は低い。

コンセントは目の前です。

そばに、一円玉がありました。


私の目には

コンセントの溝の厚みと一円玉の厚み

コンセントの溝の薄さと一円玉の薄さが

まるでおたがいひきつけあっているようで


軽い銀色の硬貨を縦につまんで

コンセントの差し込み口に──



ばし、と衝撃があってコンセントから白い煙があがりました。

友達が振り返ります。


私の指に残ったのは

まんまるの一部が半月型に消えて

まっすぐになった縁が黒い一円玉



手のかからない、大人しい子供でした。

なぜこんなコドモのいたずらをしたのか、

自分でもあっけにとられてしまいました。


ショートした時のショックよりも、

魅入られたように一円玉を差し込み口に運んだ、

時間にしたらほんの数秒の感覚が今でも忘れられません。



TVのドラマで主人公が同様の行動をとり、

電源を落として危機を脱する場面がありました。


昼間だったのでわかりませんでしたが、

あのときもたぶんブレーカーが落ちたのです。

それで一階にいた母が上がって来たのでしょう。


母が語気強く言います。


一円玉はアルミで出来ている。

アルミニウムは電気を良く通すのよ。



文字にすると、今の私のような言い方です。

気付かなかったけれど。

似ている。


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by otenki-nekoya | 2014-12-10 21:48 | 普段

みぬく

ハルキ先生には申し訳ありませんが、
どうか今年だけは賞をとりませんように、と願ってしまいました。
いま知らしめずして、いつ万能細胞を世間に知らしめるのです。

それでも連日様々な事件はおこり、
ほんの一週間前の出来事を埋めていってしまいます。

万能細胞を臨床実用化したという
最初の報道に接した時、
連れは不思議そうに言いました。
「なんでこの人、経歴が出ないの?」

経歴で人を判断する、という事ではありません。
研究には必ず「場」が存在する。
「場」は多くの人が関わって成立する。

つまり、誰もしらない──

いわれてみると、違和感が増してきます。


翌日、大騒ぎに発展した続報を連れに伝えました。

ご明察。
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by otenki-nekoya | 2012-10-14 21:40 | 普段

いきをふきかえす

先週来の悪天候は回復しましたが、
いぜんインターネットに接続できません。

雷でモデムがふっとぶという話もよく耳にしますが、
屋内のケーブル、接続、機械の動作、初期化、設定、
思いつく限りのチェックを済ませた感じでは
うちの機械達はそれはそれは一生懸命働いています。

壁に吸い込まれていくラインを見ます。
おそらく、この先がつながらない。

故障担当部署に電話します。
「お客様のほうでそこまで確認していただけているのなら」
話は早い。
「今からこちらで予備の回線につなぎます。電話を切ってしばらくお待ち下さい」

電話を切って数分、いきなりこれまでと様子が変わりました。
点滅し続けていたランプがひた、と止まり、
すうっと息を吸い込むようにブラウザの画面が変わります。

つながった!
間髪を入れず電話がかかってきます。
「あとは外での工事になります。
もし不安定になるようでしたらまたご連絡下さい」

やはり回線が雷で落ちていたのでした。
ああよかった。
まるで思い切り呼吸ができるようになったようです。

しかし、落雷の夜からもう五日は経っています。
週末+お盆だったとはいえ、私以外にも不通になった人は多いはず。
申し立てがないと修理はしないのでしょうか。
それともお盆休み明けに出社したらえらいことになっていた
‥‥というパターンかな。
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by otenki-nekoya | 2012-08-16 21:12 | 普段

ブラック・シックス

東京のいとこは筆まめというかメール嫌いというか、
いつもきれいな字できれいなハガキをくれます。

娘さんが卒論も無事仕上げ、就職も首尾良く整ったそうです。
私の無駄話で進路を決めちゃって大丈夫かと思っていたけれど、
彼女の適性にかなっていたようで、よかったよかった。

しかしイキモノ駄目絶叫系のいとこは、連日遅くまで
研究室で実験をするムスメが謎なようです。

連れにハガキを見せたら、妙なところで納得していました。
「『ブラック・シックスというネズミちゃん』‥‥
ああ!ビー・エル・マウスの事か!
ビーエル、ビーエル、って呼ぶけど、
何の略か考えた事なかったよ!
そういえばあのマウス、黒いねー」
はい。ビー・エルは、あくまでも、BLACKの略であって。
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by otenki-nekoya | 2012-07-02 21:26 | 普段

後方

窓の下を通っていく小学生男子が、
友達の問いに大きな声で答えています。
「はいぃ〜い?」
『相棒』の右京さんの真似ですね。
どれだけ刑事ドラマが好きなんだ、君。

使用プロバイダに溜まったポイントが義援金にかえられるというので
なるほどと思い、どれがどのパスワードだと混乱しながら落としました。

なんの足しにもならないと判っていますが、水道栓の僅かな水漏れを止めようと
替えのパッキングを買いにホームセンターに行ったところ、
レジの募金箱に投入口が二つありました。
一つは東北向け、もう一つは県内の漁協向けになっています。
これだけの距離がありながら津波は届いて、一部地域の産業を壊滅させました。

連れが属する職能集団から振込要請が来ました。
それは義援金ではなくて、現地での活動資金ですか。
なるほど、そういうものも必要ですね。
人員も募集していませんでしたか。
「あったあった、現地で活動を希望する人は、って」
寒冷地仕様の者でなければ、いくら腕が良くてもお邪魔になりますが。
「そういえば会合が流れたんだけど、主催担当見て納得した」
本当だ。この面子だと、交代で現地入りしていますね。
「地元は相当手薄になってるけど」
緊急車両やヘリや人員も全国から交代で出ている訳ですから、
手薄と言えば手薄で不安もありますが、地域の人は地域で守るので、
支援に行かれた方は後顧の憂い無く御存分に。
適切ではないかもしれないけれど、
銃後の守りという言葉が頭をよぎります。
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by otenki-nekoya | 2011-03-26 16:26 | 普段

徳川十五代

試験期間中の昼間の電車は満員ですが、
ほとんど男子は座らないで立ったまま、
そのかわり女子と違って勉強している子はまずいません。

私の前に立った少年は珍しく英語の参考書を手に、
古典的な赤い透明なプラスチック板を滑らせて
見えない単語を姿勢を崩さず考えています。
詰め襟のボタンを見ると、やはり進学校です。
しばらくして友人が隣に来たので、
お互い異なっている社会科の選択科目の話になります。

「徳川十五代、全部覚えないといけないんだよ」
参考書少年は日本史を取っているようです。
「鎌倉時代からの守護とか‥‥結構大変。
 地理ってどんなの?」
ちょっとふっくらした友人は軽く眉を寄せます。
「鉄鉱石の輸出国とか産出量とか」
「‥‥」
「輸入国とか」
‥‥。
「‥‥面白い?」
友人は吊り革にだらん、と手をかけます。
「おもしろい、というもんじゃないなあ」
「日本史がましだよ。覚えなきゃいけない事多いけど」
揺れる電車の中で姿勢良く立つ少年が言います。
「面白いもの」

そうなんですよ。
それに、徳川十五代は一度覚えれば一生使えるけれど、
鉄鉱石の輸出国なんて数年経てば変わるしね。

今の時代は徳川十五代の名を調べるなんて一瞬の間にできるので、
わざわざ覚える必要なんてなさそうに思えますが、
それでも自分の中にラベルのついた棚として持っているのと
一度ネットで調べてからその時代の関連事項に移るのでは
手間も深みも全く違う。

受験科目のかねあいで放棄せざるをえなかったもので、
なんでも丸暗記できる年頃に無理にでも
詰め込んでおけばよかった、と後悔するものは意外とあるものです。
覚えよ、若者。
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by otenki-nekoya | 2010-12-14 14:44 | 普段
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日記


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