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カテゴリ:音楽( 7 )

いつしかとしも すぎのとを

いよいよ今年も残すところ数十分、
恒例の某公共放送歌番組では締めに
全員で『蛍の光』を合唱、指揮は平──

という大詰めで、連れが思いがけない事を言い出します。
「『蛍の光』って、国歌だっけ」

‥‥曲はスコットランド民謡ですけど。
「国歌じゃないの」
どこの国民ですか。

大相撲千秋楽、優勝力士を前に観客が起立して
♪ほたーるの ひーかーあり とご唱和したら
「‥‥みんな帰るね。そうか、違うか」


 いつしか年も すぎの戸を

小学校の黒板に『蛍の光』の歌詞が縦書きで書かれ、
「すぎ」の横の部分に黄色いチョークと青いチョークで
二重に線がひかれている光景が思い出されます。
どうして二色で‥‥ああ、そうだ。

「『杉の木の戸』の『すぎ』」と青いチョークを引き、
「『時が過ぎる』の『すぎ』」と黄色いチョークを引いて、
「この『すぎ』にはこの二つの意味をかけてあります」と
女の先生が説明してくれたのでした。

連れはこういう事に全く関心のない小学生だったのでしょう。

国歌斉唱、と言われて『蛍の光』をうたっちまったぜい。
わいるどだろぉ。

 あけてぞけさは わかれゆく。

クラッカーがはじけ、TVの画面は
大ホールから聖域の夜空に変わります。
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by otenki-nekoya | 2013-01-01 21:24 | 音楽

そうさぼくらは

夕風の中、軽快なティンパニの音がします。
窓から身を乗り出すと、信号待ちで
自動車のエンジン音がとまった瞬間
いっぺんに管楽器の調べが町に響きます。

今年もやりますか。
定期演奏会の前宣伝に町中を
中学生が衆人注視の中練り歩く。

通りに姿を現した吹奏楽部員は合戦に向かうが如く
ピンク色の旗指物を何本も背負って行進します。

あれ?幟の色が違う。
去年は水色と紫色でした。
毎年新調するのでしょうか。

♪なーんばあ わーんに ならーなくてもいい

ご謙遜を。
県大会で優勝したではありませんか。
やはりこの荒行のたまものでしょう。

高らかに奏でよ若人。
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by otenki-nekoya | 2012-11-07 21:08 | 音楽

こけのむすまで

国歌斉唱のニュースについて話をしていて、
ふと気がついて、連れに改めて尋ねてみました。

あのー。
日本の国歌を知っていますか?
「『君が代』でしょ?」
歌えますか?

「♪しーろーじーにーあ〜か〜く〜 ひーのーまー」
‥‥。
「‥‥あれ?」

学校で習いませんでしたか。
「‥‥習ってない」
やっぱり。おそらく、地方の小さな小学校の校長先生は、
子供達に二度とこの歌を歌わせてはいけないと思ったのでしょう。
「曲はよく聞くけど。どんな歌詞?」

 きーみーがーあーよーおーはー ちーよーにーいぃやーちーよーに
 さーざーれーいーしいーのぉー いーわーおーとーなーあーりてー
 こーけーのーーむーうーすーう まーあぁでー

「すごい。何言ってるのかさっぱりわからない」
私も、小さい頃は「いわおとなりて」は
「岩音鳴りて」だと思っていました。
いわお、は大きな岩、
さざれいし、というのは小さな石です。
「小石が集まって固まって岩になって、更に苔が生えるまで?」
そうです。
「‥‥格調高いなあ」
古今和歌集の歌がもとだそうです。
お祝い事に歌うお目出度い歌ですね。

「君は学校で習った?」
はい。
都市部の大規模校で普通に。
推測ですが、あの頃には『君が代』のイメージは
すっかり変わっていたのだと思います。
「経済成長で戦争のイメージが消えていた?」
というより、東京オリンピックが転機では。
「そうか、オリンピック!」
たぶん、私達を教えた先生達は、子供の頃、
金メダルを讃える荘重な「日本の国歌」を
誇らしく聞いたのではないでしょうか。


まことにちいさなくにが、
開化期をむかえようとしている。

欧米諸国と交際するために必要な儀礼として、
欧米諸国に習いニッポンは国歌を作りました。
ちいさな開化国は奮闘努力し、胸をはり、
戦い、傷つけ、傷つき、立ち上がり、困惑し、
それらはみんな国家としての歴史だから、
当然その象徴である国歌にも歴史がある。

「傷が歴史になるのは、世代がかわってからだ」
だから、サッカーの試合の前に、
若者達はみんなちゃんと国歌を歌います。
「金メダルの時には荘厳でいいけど、
試合前に歌うとちょっと淋しくなる曲だよね」
仕方ありません。
明治の日本人は、西洋音階の歌が歌えませんでしたから。
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by otenki-nekoya | 2012-01-17 21:20 | 音楽

きよしこの夜

たぶん多くの人がこころあたりがあるのではないかと思いますが、
小さい頃、「きよしこ」の夜の
「きよしこ」ってなんだろう、って不思議に思いませんでしたか。

「『きよし、この夜』でしょ」
そうなんですが。
「こっちに来なさい、とか、そんな意味?」

‥‥。
「来よし」、この夜?
なんで京都弁なんですか。

「文語表現とか」
違います。

さーいれん、ない、
ほーりー、ない、

の「ほーりー・ない」の方です。

「おっこちる夜?」
なんでフォーリング・ナイト。

「きよしこの夜」の意味をまだ知らない大人もいる。
いっそ神々しい程です。
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by otenki-nekoya | 2011-12-24 18:46 | 音楽

凍える弦

夜更ければ欠けるはずの満月は、雲に覆われています。
そのおかげで地に満ちた何千もの小さな炎が一層輝きます。
広場を埋めるキャンドルの灯です。

このあたりでは珍しい冷え込みになりました。
イヴェントに参加するクラッシックギターデュオの
野外演奏を聞こうと夜道を歩いて来たのですが、
人気TV番組のBGMなどでかなりメジャーなはずの若者二人は
革ジャンにジーンズ、この凍天にはあまりにも無防備で、
「おもしろい!指が動かない!」
などと叫びながらそれでもさすがの超絶技巧を披露します。

しっかり着込んで来た観客達は
「可哀想に」
「なにか風よけに囲うちゃればええに」
と震えながら演奏する青年達に同情しきりですが、
十二月初旬のこのへんはそう冷える事もあるまい、と
寒さ対策をしなかったイヴェント元締めはもとより、
演奏家もプロなんだから、それなりに防寒せんかい。
南国育ちの人々はそういうところが抜けています。

ああ、この曲。
ギターが鳴り始めると、後ろの赤子が
うきゃあ、と歓声をあげます。
母親は「しいっ」と制していたのですが、
もともと屋外なので他の物音もしていて気になりませんし、
まわりの人も
「まあこの子はこの音が好きながやねえ」
「音楽がわかるがやねえ」と話しかけ、
赤子、一人で熱狂ライブです。
琴線に触れる、と言いますが、
佳い弦の響きは本当に人の声のようです。

MCを担当していた方のギタリストが、いきなり
「歌います!歌いたい気分です!」と即興で歌い出します。
相棒がソロ演奏しているあいだ、
がちがち震えながらじっとしている事に耐えられなくなったようです。
「全米デビューきまりました!」
おおー。

大陸は寒いです。
防寒対策は、万全を期してください。
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by otenki-nekoya | 2011-12-10 21:20 | 音楽

はるばるのぞむ

夕暮れの町の中をブラスバンドの演奏が近づいてきます。
ニュー・オーリンズ式の葬送‥‥
いえ、聞こえて来た曲は

♪さらばーちきゅうよ ちゃちゃちゃちゃーん
 たびだーつふねはー ちゃちゃちゃちゃーん

野球の応援でお馴染みのテーマ。
まだそれほど息が力強くはない、中学生でしょう。

やがて通りに姿を現した制服姿の吹奏楽団数十名二列縦隊は
紫や水色に染め抜いた幟を背に立てて、合戦に向かうかのようです。

きらめく金管、弾けるティンパニ。
旧商店街を練り歩いてしかるのち、
演奏しながら学校に引き上げる途上なのでしょう。
何事か、と道行く人が見ています。
なかなかの苦行です。

♪だれか〜がこれをーやらね〜ばならぬう〜
 きたいーのひとおがーおれたーちな・ら・あ・ば〜
 ちゃらら ちゃらら ちゃらら ちゃらら ちゃらら ちゃらら ちゃん

昨夜なら仮装した若者がぞろぞろ歩いていても驚きませんが、
この制服楽隊は一体?

「定期演奏会が近いから」
あ、そうか。もう十一月ですね。
プログラムに載せる広告を集めて費用を稼ぎ、
町中の店舗にポスターを貼らせてもらい、
ついには路上で演奏しながら宣伝をする。
負けるな青春。
それにしても背中の幟に何と書いてあるのか気にかかります。
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by otenki-nekoya | 2011-11-01 20:41 | 音楽

校歌斉唱

延々とスコアボードに0の並んだ延長十一回、
中央局のニュースが五分間入り、
画面が高校野球地方大会に戻ったところでもう勝敗が決していました。
五分の間に走者が出、タイムリーヒットでサヨナラだったようです。
決定的瞬間を逃した地方局のアナウンサーが、
「申し訳ございません」とお詫びをしています。
準決勝進出を決めたチームの校歌が流れます。

あれ?この歌、こんなに優しい感じだったっけ?
もとが男子校だったためか、母校の校歌は文語調で、
力強く雄々しい歌だと思っていました。

音楽教師は年配の男性で、こう指導していました。
「しゃけりな!しゃけったらいきません」
また聞いた事の無い現地語が。
これはネイティブならぬ身でも、シチュエーションから意味が分かります。
この場合、「叫ぶ」というより、のどを引き裂くように
声を張りあげる状態をはるかに上手く表現していると思います。
普通に歌っても、圧倒的に多い男子の声は体育館を揺るがすようでした。

今の少年達はこんなに優しく歌うんだ。
歌詞も旋律も同じなのに、まるで違う校歌のようです。
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by otenki-nekoya | 2011-07-23 16:46 | 音楽
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日記


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