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アルミでできている

五歳だったと思います。


私は当時住んでいた家の二階の窓辺近くに座っています。

遊びに来ていた数人の友達は部屋の真中を向いています。


窓の右側の壁にコンセントがあって、


どういうわけかわたしはそこから

めがはなせなくなっていました。


子供の視点は低い。

コンセントは目の前です。

そばに、一円玉がありました。


私の目には

コンセントの溝の厚みと一円玉の厚み

コンセントの溝の薄さと一円玉の薄さが

まるでおたがいひきつけあっているようで


軽い銀色の硬貨を縦につまんで

コンセントの差し込み口に──



ばし、と衝撃があってコンセントから白い煙があがりました。

友達が振り返ります。


私の指に残ったのは

まんまるの一部が半月型に消えて

まっすぐになった縁が黒い一円玉



手のかからない、大人しい子供でした。

なぜこんなコドモのいたずらをしたのか、

自分でもあっけにとられてしまいました。


ショートした時のショックよりも、

魅入られたように一円玉を差し込み口に運んだ、

時間にしたらほんの数秒の感覚が今でも忘れられません。



TVのドラマで主人公が同様の行動をとり、

電源を落として危機を脱する場面がありました。


昼間だったのでわかりませんでしたが、

あのときもたぶんブレーカーが落ちたのです。

それで一階にいた母が上がって来たのでしょう。


母が語気強く言います。


一円玉はアルミで出来ている。

アルミニウムは電気を良く通すのよ。



文字にすると、今の私のような言い方です。

気付かなかったけれど。

似ている。


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by otenki-nekoya | 2014-12-10 21:48 | 普段
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日記


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