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しばもち

太陽が真上からさし、影が消えて町が光で真っ白です。
例年この時期は曇っているので、あまり見ない光景です。
海風が吹いて、日陰は申し訳ないくらい爽やかです。

のどかな日曜のローカルニュースを見ていると、
海を見下ろすお寺を訪れた巡礼さん達に地元の人が
「柏餅をふるまいました」という映像が

‥‥それ、柏餅じゃないだろう。

菅笠を被った白い巡礼装束の娘さんが、
葉っぱをはいでかぶりついたあんこのはいった餅は、
てのひらサイズのまるっこい葉っぱ二枚にはさまれていました。


子供の頃引っ越しして、驚いた事のひとつは

かしわもちが、かしわのはっぱじゃない!
という事はつまり、かしわもちが存在しない!

そのかわりにみたことのないものがでてきたのです。
あの、もこもこと人の指のようなでっぱりのある
大きな一枚のはっぱにくるむのではなくて、

なんだかそのへんで取って来たような
はっぱの先と柄のところがちょっととんがった、
まるいはっぱ二枚にはさんで蒸したおもち。
光沢もなんだか違う。

柏餅の葉っぱを食べる人はあまりいないと思うので、
たとえ包む葉の種類が違っても、
中はあんこの入った餅なので問題はないのでしょうが。
それ以前に甘いものが苦手な子供だった私は、
食べられなかったので関係ないのですが。

後に、あの菓子はそこらの葉っぱを貼ったわけではなく、
広い地域に渡ってひろまっている、
「しば餅」というものだと知ってまた混乱しました。

「しば」のはっぱ?
引っ越す前のおうちにあったしばふの芝‥‥じゃないし、
おじいさんは山へしばかりにの柴‥‥?
‥‥あれは小枝だ。

さるとりいばら、という冬枯れの姿が印象的な植物と
あのちょっととんがりのある丸い葉っぱが結びつくのは
更に後の事でした。

私が子供の頃の菓子は総じてものすごく甘かったのです。
今は、いわゆる「あまいもの」もおいしくいただいています。

あ。

今気がついたけれど、私、しば餅食べた事がないんだ。
子供でもなければわざわざすすめられる事もありません。
食べつけていないものはなかなか買いません。
いただきものの菓子は、箱入りの日持ちのするものばかり。


いつもの産直市で野菜を買う時に、
出来上がりのタイミングと会えば
地元の餅米を搗いた柔らかいあんこ餅や
黒砂糖の皮のふかしたての饅頭等、
その日のうちに食べ切る手作り菓子が並ぶので、時々買います。
今の時期は、手作りのしば餅に出会えるかもしれません。

おじいさんが山に入ってさるとりいばらのトゲにからまれながら
わざわざ取って来た葉っぱかどうかまではわかりません。
by otenki-nekoya | 2013-06-16 22:04 |
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日記


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