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科学の子

暑くなってきたので、某国内製薬メーカーが
著作権使用に数億をつぎこんだという
国民的キャラクターの登場するCMが
今年も展開されるようになりました。

昨年までは考えもしなかった事ですが、
TVCMや新聞折り込みチラシで、
不調を訴える人々の症状が特定の疾患かもしれないと聞いて、
心配そうに自分の胸をぱかっと開けて様子を見る
無邪気な機械少年の姿を見て、突然思い出しました。

彼の胸の中には小さな原子炉があります。
「ええっ、十万馬力は原子力エネルギーだったの?」
名前を見て下さい。
「あ‥‥あ、アトム」
妹の名前は。
「ウラン‥‥本当だ」

『地上最大のロボット』の巻で登場し、
浦沢直樹がリメイク(『PLUTO』全八巻 小学館)までした
アトム最強のライバルの名前は冥府の王、
プルートゥ。
「プルト‥‥ニウム」
罪無き彼を、作り出し誤った使い方をした人間にこそ罪は有る。

アトムが漫画に登場したのは昭和二十六年です。
「そんなに昔なの?戦後間もない‥‥
ああ、だから、原子力の平和利用なんだね」
私が物心つく前からアトムは少年の姿だったから、
ウランのように、ずっとアトムの事は
「お兄さん」のように見ていました。

ねえ、アトム。
あなたが生まれて六十年が経ちました。
六十年間人々が夢見て来た未来は
ただの夢だったのかな。
by otenki-nekoya | 2011-07-01 16:19 |
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日記


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